2013年02月21日

「重慶」という都市の魅力

現在,重慶に来ています。(これがアップされる日は武漢に移動しています。)

Twitterなどでお世話になっている@Chinanews21さんから,「洪涯洞」はオススメですよという連絡をいただいたので,夕方行ってみました。

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このサイトにもあるのですが,まさに「千と千尋の神隠し」に出てくる雰囲気の建物でした。崖から流れ出る水の湯気(温泉?)と崖にそって上へ上へと建てられたような建物の雰囲気が独特でした。(天候の悪さと写真撮影のウデはご勘弁をw)

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この写真は上から見たものです。開発の進む高層ビルの中にこのような伝統的建物の保存をはかっています。


さて,今回のエントリは,重慶という都市について考えてみたいと思います。

重慶は不思議な町です。こんな山奥でしかも二つの大河(長江と嘉陵江)が交わる場所,しかも平地ではなく山を切り開いて作られた街です。夜,河の反対側から見れば,香港島の風景によく似ています(たしか「内陸?の香港」と呼ばれた気がします)。それぐらい平地のない山を切り開きながら高層ビルが立ち並ぶように密集して街ができています。

間違いなく大都市です。二つの大河につきだした半島のようなところ(渝中区)に120万人(移動含む)がひしめいています。香港島の人口が130万人であることを考えると相当な密集地です。

なぜ,このような大都市が,内陸にある大河の上流に,そして山を切り開いてできたのでしょうか?

歴史的には,長江の上流,重慶を含む三峡地区は,人類の発症の地とされています。北京などの北方も北京原人で知られるように古い人類(類人猿)がいたところとされていますので,中国の中でも歴史の長いところになります。

漢水から南は「巴」と呼ばれ,楚の国が広がるにつれて,西南に押し出されるように人々が移動し,三峡地区に中原文化と地元の文化が混ざるようになりました。西周や秦の時代になると,巴は郡制の中に取り込まれ(巴郡),江州県(重慶のこと)が置かれます。三峡には長江沿いに様々な街(県)があったようですが,江州は長く郡都として栄えたようです。

明清の時代には,大きな範囲で城壁によって囲まれました。また対岸にも城壁の街が作られていきます。人も多く流入したために,内陸部ではもっとも活気のある都市として成長していたようです。

重慶が有名になるのは,国民党政府によって一時期首都とされたことです。このおかげで,戦火を逃れるために沿海部から多くの大学や企業が移って来ました。

新中国成立以降,重慶は四川省の一部として,しかしながら計画単列都市として西南地域で存在感は残していました。1990年代に三峡工程が実施されるとともに,重慶がその三峡移民を受け入れる意味も含めて,上流の多くの貧困県とともに,1997年第4番目の直轄市となりました。2010年には国家級の兩江新区(経済特区よりも優遇が与えられる)が,上海浦東,天津濱海についで3番目に設置されました。

このように重慶は内陸地域でも大都市として中国の中で異彩を放っているように思います。

実際,今回2度めの訪問でいろいろ感じることがありました。重慶が重慶として特色あるのは,水と山,そして人工の街(城)という「自然」の景観に「都市」がマッチしていることにあります。

また,もう一つの魅力は「古い」中国的活気です。

体の不自由な人の物乞いをはじめ,自分の子どもに簡単な芸をさせて恵みを待つ親子,労働者として周辺から流れこんできた農民工,一方で発展した地区では小奇麗なスーツを来た男女が談笑する,というまさに「多様な」人々がいます。

高層ビルの1階軒先はほとんどが店になっています。自動車部品,家具,文房具,衣類など個人経営の店が道路沿いに並んでいます。しかも1つの道路にはほとんど業種が同じになっています。

そして,最後の要因は,これらの人々や小企業が小さな場所に密集しています。つまり,多様性,過当競争,密集という,香港が70年代に経験した都市の発展を今重慶が経験しているように見えます。

今の重慶から,河を挟んだ北側の広い地域(江北)が新区として開発されてきています。中国では,どの新区も経済開発区も新市街地として旧市街地とわかれているのは普通ですが,重慶の旧市街地,そして開発が進む江北地域が,どのように「重慶」として融合していくのか,香港と九龍(&新界)を見るようで,今後が楽しみです。


*歴史部分は博物館での資料のうろ覚えですので,ガチでつかったりはしないでください。ウラとり希望(笑)
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 岡本式中国経済論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする