2013年10月29日

第24回環太平洋産業連関分析学会大会

10月26日,27日に環太平洋産業連関分析学会の第24回大会が中京大学で開催されました。

拙著『中国の地域経済: 空間構造と相互依存』日本評論社が本学会の学術賞を受賞しました。

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環太平洋産業連関分析学会は,私がアジ研に入って初めて学会発表を行った学会です。その後アジ研を退職してから疎遠になっていたのですが,産業連関分析の専門家が多く集まる本学会より著作を評価されたことは大変うれしく思います。

日本地域学会の著作賞と合わせて,連続受賞となりました。ご支援いただいた多くの方々に感謝申し上げます。ありがとうございましたm(_ _)m
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2013年10月22日

私立大学協会研修会

私立大学協会の教務部課長相当者研修会が10月16日から18日の3日間,浜松のホテルオークラアクトシティで開催されました。

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学んだことを備忘録として。

・ 昨年の答申で学士課程の共通の基準として知識,技能,態度を設定したが,各大学が個性にもとづき自らが育てたい人材像を明らかにしてその学士像に沿った教育が求められている。
・ 知識供与だけでは10年後に役立つことはない。主体的な学びを通じた経験によって新たな課題に対する解決能力という「態度」を形成することが可能。
・ 本来の「主体的な学び」は強制されるものではないが,シラバス,カリキュラムなどで強制的な仕組みをつくるとともに,授業でのアクティブラーニングを通じて「主体的な学び」を経験していく。
・ 多様化する学生に対して,入学前,リメディアル教育,スタートアップキャンプなどについて外部委託,職員が参画するなど多様な取り組みが行われている。
・ 障害学生の受け入れでは,受験前,入学前,入学後相談を実施し,必要とする支援を文書化し,できるものできないものを明確にしている。
・ 単位制の考え方は,労働時間と同じく1時間(≒50分)の授業と2時間(≒100分)の予復習を要求しており,学習量を時間で図ることにより価値の共通化が可能というものである。
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2013年10月17日

日本地域学会第50回年次大会

10月12日から14日まで,徳島大学にて日本地域学会第50回年次大会が開催されました。

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<授賞式でのあいさつ>

本大会の総会で,拙著『中国の地域経済: 空間構造と相互依存』(日本評論社)が,学会賞(著作賞)を受賞しました。

アジア経済研究所,大東文化大学と二つの職場が提供してくれた研究環境に感謝するとともに,中国で調査に協力してくださった多くの方々にも感謝申し上げたいと思います。これからも,中国の地域について研究を進めていきたいと思います。

また,本大会では二つの発表に対する討論者をつとめるとともに,新しい研究成果を報告しました。

「FLQによる全国地域産業連関表の事例ー中国の事例」

です。全国の技術係数を地域の情報を使って地域の技術係数を推計する係数調整法(Quotient Approach)について,最近議論が深まっているFleggのLQの手法を中国に応用してみて,その精度を確認するというものです。現時点では,適切なパラメータを設定することによって精度が向上したことを示しました。

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<報告の様子>
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2013年10月10日

ホームカミングデー

10月5日土曜日に全学でのホームカミングデーが東松山キャンパスで開かれました。大学創立90周年を記念してはじめて全学同時での開催でした。

国際関係学部は,ALSC(Asian Language Speech Contest)の様子を収めたDVDを放映するとともに,新しく新5号館に移転して民俗資料室が公開されました。(ホームカミングデーの様子はこちら

メインは,ミニAsia Mixです。毎年6月頃に開催されるアジア料理祭の縮小版です。学生たちと一緒にタイのカオマンガイ(タイ風チキンライス)を作って,配布しました。

カオマンガイの準備にあたっては,材料から吟味し,タイ米や香菜を調達。前日の仕込みでは学生たちとあーだこーだといいながら味付けに工夫をしました。

今回,体験してみてわかったことは,Asia Mixはただの料理祭ではなく,アジアを理解する一歩になることです。もちろん言葉ではわかってはいたのですが,実際やってみて私もタイに行きたくなりましたわーい(嬉しい顔)

さて肝心のお味の方は,ホームカミングデーで帰ってきた卒業生の評判によると,美味しかった,ということだそうです。

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2013年10月08日

2013年9月読書ノート

今年6月末から7月にかけて,理財商品やらシャドーバンキングやらが中国ニュースの中心でした。2008年の4兆元対策以降,地方政府のインフラ開発は地方融資平台などが注目されていましたが,その金融面の資金調達の仕組みが明らかになった形です。

フタをあけてみると,キャッシュフローを生み出すインフラを信託公司が地方融資平台と組んで証券化して家計に販売したというが実情でした。私は金融が弱いので言葉をきちんと理解しようと思い,手にとったのが以下の3冊です。やっぱり日経文庫はわかりやすくて網羅的なのでオススメです。




<経済>

安西正鷹(2012)『お金の秘密-国際金融資本がひた隠しに隠す』成甲書房 金と兌換できるという安心感から預かり手形が紙幣になる。その何倍ものお金が発行され(信用創造)、そのお金は利子を生み出す。この預証紙幣の終着点が中央銀行となり、通貨発行益を得る。

久保田博幸(2012)『図解入門ビジネス最新短期金融市場の基本がよ〜くわかる本』秀和システム 銀行券の発行,物価と決済システムの安定を図る日銀。金融恐慌をきっかけにコール市場が誕生,仲介役として短資会社が出現し短期金融市場が発展。

久保田博幸(2013)『図解入門最新債権の基本とカラクリがよ〜くわかる本[第2版]』秀和システム 借用証書としての債権は資金運用先,中でも米国債は影響力が大。債権は店頭取引が中心で価格ではなく利回りで売買。日銀は短期金利に影響を与えられるが,長期金利は国債の市場取引で決定。

日本経済新聞社編(2011)『金融入門[第7版]』日経文庫ベーシック 資産価格の上昇を人は信じ金融危機を引き起こす。金融とはお「金」を「融」通することであり,仲立ちするのが金融機関。お金の値段・金利を決めるのが金融市場。日銀,銀行,証券会社や商品である国債,株式,為替の仕組み等。

国際通貨研究所編(2012)『外国為替の知識[第3版]』日経文庫 為替とは地理的に離れた場所で現金輸送せずに決済すること。決済通貨を決めて商品の輸出入や投資が行われる。為替リスクにさらされる外貨建て資産・負債をエクスポージャーといい,企業にとってエスポージャー管理は重要。

竹内浩二(2012)『債権取引の知識[第3版]』日経文庫 借り手が期日に支払うことを約束しているのが債券。期日前に取引するのが債券市場。債券の信用性は格付会社の格付と安全な国債利回りとの格差(クレジットスプレッド)で。日本の債券市場は国債、米ではモーゲージ(住宅ローン)担保証券。

大橋和彦(2010)『証券化の知識[第2版]』日経文庫 住宅・自動車ローン,クレジット,手形などキャッシュフローを生み出すものは特定目的事業体に移行して,そのフローを利用して証券を発行するのが証券化である。メリットはリスクをコントロールすることができること。

井上聡(2007)『信託の仕組み』日経文庫 リース会社は土地建物などの財産を銀行などに託し管理運営を任せる。リース会社は財産から生み出されるお金の受益権を第三者に販売し,第三者は信託財産からの配当を信託銀行から受け取る。受益権は証券として売買も可能。

野田由美子(2002)『PFIの知識』日経文庫 民間(Private)の経営ノウハウと資金(Fincance)を活用する施策(Initiative)。公共が事業計画を立案し,設計,建設,運営,維持管理は民間が遂行する。公共は水準を満たしたサービスを購入する。

町田裕彦(2009)『PPPの知識』日経文庫 公民が連携して公共サービスを行うスキーム,PPP(Public Private Partnership)。PPPはPFIや指定管理者制度,独立採算型BOTなどを含む概念。背景に財政赤字,高齢化,インフラの老朽化などがあげられる。

厚谷襄児(2012)『独占禁止法入門[第7版]』日経文庫 私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法、事業支配力の過度な集中を禁止し、市場メカニズムを健全にする独占禁止法。ただし知的財産、協同組合、再販価格維持などが適用除外され、政府規制制度も批判に。

W.ブライアン・アーサー(有賀裕二)(2003)『収益逓増と経路依存-複雑系の経済学』多賀出版 立地は歴史的偶然性も作用する。鉄鋼業は原材料供給の近くにいる必要があるが(空間経済の必然性)、企業は企業の近くにいる必要があるという凝集性によって歴史の偶然が重要になってくる。

ポール・オームロッド(塩沢由典)『バタフライ・エコノミクス-複雑系で読み解く社会と経済の動き』早川書房 二つの場所のどちらにアリは向かうのかというアリモデルは、アリ相互の影響力に依存する。景気循環も片方に自己強化する傾向を持ち、個人の相互依存によって変化する。

<中国>

中條誠一(2013)『人民元は覇権を握るか-アジア共通通貨の実現性』中公新書 基軸通貨がドルなのはアメリカが発達した金融システムと巨大な最終財市場であるから。アメリカ経済力の相対的低下と過剰なドル垂れ流しはアジアの持続的発展に不利。アジアに共通通貨制度を構築する必要がある。

岡本隆司(2013)『近代中国史 (ちくま新書)』ちくま新書 士と庶、官と民の二元構造に公的な教育、政治の不在、一方的な収奪が明清時代の基本的構造。現物主義的財政が銀納に代わり、茶の輸出銀の輸入となる。人口が増加し開港場市場圏に。政府は信用、法制を供与せず産業化は失敗に。

渡邉真理子編(2013)『中国の産業はどのように発展してきたか』勁草書房 中国産業の特徴は「旺盛な参入と低い価格」である。固定費を回避したい企業は垂直分裂志向の取引を選択。技術的プラットフォームの存在、分化した市場、公共財的な技術がそれを可能に。食糧、労働、エネルギーは上昇へ。

丸川知雄(2013)『現代中国経済 (有斐閣アルマ)』有斐閣アルマ 変化の激しい中国経済を工業化という側面から2020年を意識し必要なものだけを整理する。中国経済の発展経緯を国有企業,民間企業,外資企業を主役に,労働市場と財政金融システムを補完しつつ明らかにする。

大西康雄編(2013)『習近平政権の中国-「調和」の次に来るもの』アジア経済研究所 習近平政権発足後の中国が抱える課題と展望を政治,経済,外交,軍事,公有制,社会保障の観点から明らかにする。習政権の独自路線は13年秋の三中全会以降に明らかになる。

石平(2013)『「歪んだ経済」で読み解く中国の謎』ワニブックス【PLUS】新書 中国は成長のための公共投資とインフレの板挟みに。経済が衰退すればケ小平マジックは消え社会は不安定に。習近平は、軍の視察強化など自分のカラーを出して国内の不安定を海外に背けようとしている。

沈才彬(2013)『大研究! 中国共産党 角川SSC新書』角川SSC新書 中国共産党の強さはイデオロギーに拘泥せずリアリズムに徹したため。共産党トップは下からの選抜、地方視察の現場主義、若手の育成や登用が強み。危機対応は強いが国内政変に弱い。保守派に配慮しつつも民主主義体制にいつかは移行する。

日経新聞社編(2013)『習近平に中国は変えられるか』日経新聞出版社 石油閥、機械工業閥などから見る新政権、土建国家と影の銀行、経済を支える中国企業の現状、米中外交、反日デモの裏側、小民主と呼ばれる民主化、言論統制の国、など。12年2月から13年3月までの企画連載のまとめ。

天児慧(2013)『日中対立: 習近平の中国をよむ (ちくま新書)』ちくま新書 12年以降の強硬姿勢の背景は日中関係の変化、対外戦略の強硬化がある。日本イニシアチブの日中関係が中国イニシアチブへ、対外戦略は09-10頃から海洋権益、核心的利益に南シナ海を含め、「積極有所作為」を主張し始める。

<自己啓発>

ジッドゥ・クリシュナムルティ(中川吉晴)(2013)『スタンフォードの人生観が変わる特別講義-あなたのなかに、人生がある』PHPエディターズグループ 先入観や偏見が「私」と「私以外」に分裂させ、思考が壁を作る。恐怖、絶望を見つめ、真実をみて権威や体系の間違いを見れば心は静かに。

チャールズ・デュヒッグ(渡会圭子)(2013)『習慣の力 The Power of Habit』講談社 毎日の人の行動の4割が習慣。習慣のループとは、欲求に基づき、何かのきっかけでルーチン行動が発生し報酬を得る、というもの。きっかけ、ルーチン、報酬を理解するとともに、変われると信じること、社会の目なども重要。

マリオ・アロンソ・ブッチ(山本泉)(2013)『ハーバード流 自分の限界を超える思考法』アチーブメント出版 過去に達成できたことと将来達成できそうなことは全然違う。現実を違った目で見ることができればまったく違った決断が下せる。

山ア拓巳(2006)『山崎拓巳の道は開ける』大和書房 悩んでいる人は努力することを保留している、決めてやってみること、感じるということはその事が起こる事を受け入れる準備ができたこと、意識すること、そうしようとすること、そしてある程度のストレスは幸せに関係している。

椋木修三(2013)『「顔と名前」の記憶術』PHPビジネス新書 自分の人生に重要でないものは忘れる。相手の名前や顔の特徴を意識し、メモを取る、イラストを書く、反復する、意識的に相手の名前を呼ぶ、会う前にメモを見直す、などの工夫。

<社会>

五十嵐泰正+「安全・安心の柏産柏消」円卓会議(2012)『みんなで決めた「安心」のかたち-ポスト3・11の「地産地消」を探した一年』亜紀書房 全国的な生産高を誇る柏のカブ、ネギ、ホウレンソウ。消費者、生産者、流通者が協力して放射能測定、安心農業の取り組み、消費者意識への働きかけ。

<その他>

中島岳志・森あゆみ(2012)『帝都の事件を歩く-藤村操から2・26まで』亜紀書房 東大の周りに下宿、旅館が集まり世を憂う煩悶青年が集まる本郷、浜口雄幸暗殺が起こる東京駅周辺、血盟団事件の日本橋、明歴の大火のあとに発展する両国、など、近代史に関連つけながら東京の街を歩く。

蜂屋邦夫(2002)『荘子=超俗の境へ』講談社選書メチエ 天空の高みに身をおけば俗世の争いごとは矮小に見える。すべてを天地自然の道に任せて、人為的な価値判断を超越することこそが荘子の思想。
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2013年10月03日

『習慣の力』

前に「エビデンスにもとづいた自己啓発本」というエントリを書いたあとにまた面白い本を読みました。

『習慣の力』(チャールズ・デュヒッグ)です。



毎日の人の行動の4割が習慣だそうです。

松井秀喜(2007)『不動心 (新潮新書)』によると,星陵高校のベンチにはこう書かれてあったそうです。

「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」

いい言葉です。習慣が変われば人は成功しそうです。でも,習慣を変えるのは難しいのが私たち一般ピーポーなわけです。本書はいい習慣を身につけたいという人に,習慣に関する科学的成果を提供し,そのエビデンスにもとづいた習慣の改善を提案しているというスグレモノです。

習慣とは,脳が楽をするために編み出した手順,です。そして習慣はループ化されています。

その習慣のループとは、欲求に基づき、何かのきっかけでルーチン行動が発生し報酬を得る、というものです。そしてその報酬がまたきっかけとなってルーチンな行動を引き起こしていきます。

さまざまな事例があげられています。ラットが餌を探す実験では,餌を探しだしたあとルートが分かってしまうと脳の底核の反応が下がります。餌までの道筋はルーティンな行動になり,脳への刺激が減ります。

マーケティングにおいてもアメリカで歯磨き粉が開発されたときにそれを人々の習慣として根付かせることは大変でした。歯についた粘膜が取れる!という報酬が用意されることによって人は歯磨き粉を使う習慣がついていったようです。

ファブリーズもアメリカではなかなか浸透しなかったようです。最初は「臭い消し」というが謳い文句だったのですが,誰も自分の家が臭いとは思っていません。そこで宣伝文句を「いい香り」になることを強調することによって徐々に売れていったそうです。

たしかに,ビオレの毛穴すっきりパックなんかは,鼻の黒ずみが取れると気持ちいいのでついつい買うようになります。このように報酬が新しい習慣を定着させます。

さて習慣を変えようにもやはり意志力が要ります。

クッキーとラディッシュ(大根)が置かれた部屋に入り,一つのグループはクッキーを食べる,もう一つのグループはラディッシュを食べるという実験が行われました。当然クッキーを食べる方が楽しいので,意志力を使いません。反対にラディッシュを食べる方は横にあるクッキーを横目にラディッシュを食べ続けないといけないので,意志力を使います。

二つのグループに簡単なテストを行うと,ラディッシュを食べさせられたグループは悪い結果となったそうです。つまりクッキーを我慢してラディッシュを食べ続けるという自制心を使ったので,能率が下がったというわけです。

となると意思力ではなかなか習慣をつけることは難しいかもしれません。でも大丈夫です,ここで重要なのがさっきもみた「報酬」です。報酬をうまく設定すると人は習慣化することが可能になります。(でも自分が身につけたい習慣の行動後にどのような報酬を用意するか,実生活では難しいかも。)

その他にも本書では,変われると信じること,社会の目なども重要だと指摘しています。

習慣を変えたい人には手元においていろいろ挑戦してみてください(笑)

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2013年10月01日

『習近平政権の中国』

編者の大西さんよりご恵投いただきました。アジ研の情勢分析シリーズの1冊として刊行され,中国の最新の動向をわかりやすく紹介しています。

2012年に習近平が党書記になり,2013年の全人代で習近平国家主席・李克強首相コンビによる新政権がスタートしました。胡錦濤前政権時代を振り返りながら,新政権下の課題について分析,紹介しています。

簡単に内容紹介。

政治:新政権の人事を見てみると,経済通が少ない印象で,国土資源部の徐紹史が国家改革発展委員会主任に収まったところをみると,都市化,資源開発の国有企業に有利といえるかもしれません。大きな課題は既得権益層とのバランスだと指摘しています。

経済:マクロ的には4兆元の財政政策の出口戦略,とくに地方融資プラットフォームの不良債権の取り扱い,地域バランス,所得格差が大きな課題です。昨年12月の中央経済工作会議の結果をみてみると,都市化,民生(社会保障)に力点がおかれ,体制改革が一番最後になっていたと指摘しています。

外交:経済大国化,ナショナリズムなど5つの要因によって新政権の強硬路線を説明しています。新政権は平和を謳いながらも海洋権益の主張は強いです。

軍事:習近平は軍を積極的に把握しようとしていますが,これは軍の膨張と周辺諸国への脅威につながり,バランスが問題になってくると指摘されています。

国進民退:「国有経済の堅持」により民間企業との不平等競争が問題になっています。鉄道部の解体に見られるように公有非公有のバランスがとれるかどうかがカギであるようです。

社会保障:社会保障改革は都市部の社会保障制度に農民工や農民を取り込んだ増分改革的なもので,これにより体制的には皆保険制度となりました。ただ保険制度の実質化と格差の是正がこれからの問題だと指摘しています。

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