2014年01月07日

2013年12月読書ノート

2013年12月読書ノート

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

本年最初のエントリは昨年12月に読んだ本のまとめです。

オススメは,



です。以前このエントリでも書いたのですが,論文指導の時に「問いの立て方」について示唆するものが多いです。比較軸を持ったり,時間軸で広げたりしながら問いをふくらませていくという考え方は非常に勉強になりました。

この本によって,私にとって手元に置くべき文章読本三部作+αは以下のとおりになりました。

文章読本三部作

鹿島茂(2003)『勝つための論文の書き方』文春新書
山田ズーニー(2001)『伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)』PHP新書
戸田山和久(2002)『新版 論文の教室―レポートから卒論まで (NHKブックス No.1194)』日本放送出版協会(私は旧版のみ読みました。)

+α(日本語の使い方)

阿部紘久(2009)『文章力の基本』日本実業出版社


<中国>

山本要(2013)『大団円』文芸社 物流会社の広州支店の総経理として派遣された武藤。現地職員を束ねる林国輝。会社への「忠」を持つ日本人、親族至上主義の「孝」に縛られる中国人。共に家族の問題を抱えながら、仕事のやり方でぶつかり、協力する。

関志雄(2013)『中国 二つの罠』日経新聞出版社 中所得国の罠、体制移行の罠の兆候を持つ中国。資本主義の様相を持つようになった中国は成熟した資本主義を目指すべき。公平を志向し、権力者による改革、漸進主義的改革、政府の役割を見直す必要がある。

加藤弘之(2013)『「曖昧な制度」としての中国型資本主義 (世界のなかの日本経済ー不確実性を超えて3)』NTT出版 中国の制度が持つ曖昧さを制度、歴史、包、不確実性から明らかに。競争と相容れない特徴、国有経済、官僚・党の利益集団、が成長を促進する場面を分析。資本主義の多様性と中国の関係も。

大沢昇(2013)『ワードマップ現代中国-複眼で読み解くその政治・経済・文化・歴史』新曜社 中国語辞典編集に携わってきた著者が、時代別の言葉、実事求是、振興中華、太子党などから中国史を振り返り、テーマ別の言葉中南海、核心的利益、海洋強国、中国特色社会主義、などから現代中国を解説。

在中日本人108人プロジェクト 編(2013)『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』阪急コミュニケーションズ 絵本で南京で日本語を教える人,中国映画で軍人を演じる俳優,日中の親をもつ高校生など,歴史認識の違いに戸惑いながらも中国の良さ・悪さを含んで中国を語る。


<経済>

パーサ・ダスグプタ(植田和弘山口臨太郎中村裕子)(2008)『経済学 (〈一冊でわかる〉シリーズ)』岩波書店 経済学は人々の生活がどのようにして今の状態になったのか、それに影響を及ぼす過程を明らかにするもの。信頼、共同体や市場の役割、科学技術、家計と企業、民主主義というテーマから明らかに。

浦田秀次郎・小川英治・澤田康幸(2011)『はじめて学ぶ国際経済 (有斐閣アルマ)』有斐閣アルマ 国際貿易・国際金融・開発経済の3分野から現状、理論、政策を説明。国際貿易、経済統合、海外直接投資の理由、資金の流れ、為替レートの決定と介入、国際通貨制度、格差、貧困削減、開発援助、開発と援助など。

渡部茂・中村宗悦編(2013)『テキスト日本経済』学文社 日本の経済成長を支えていた労働、技術導入、地理的特性、国際関係などの構造的特徴に変化。自由貿易、創造社会、個性化に対応するパラダイム転換が必要。産業構造、人口構造、環境、企業、政府のあり方を考える。

吉本佳生(2013)『日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)』講談社現代新書 日銀が進める金融緩和、安部政権の公共事業拡大に必要なのは、賃金格差に直面している女性、非正規雇用などの労働者の賃金を上昇させること、不動産価格の上昇で人を都市に集める、おしくらまんじゅう政策だ。

ポール・クルーグマン(2013)『そして日本経済が世界の希望になる (PHP新書)』PHP新書 流動性の罠にはまっている日本に必要なのはインフレ期待(2%、できれば4%)を持たせる金融政策と積極的な財政拡大。財政再建論者を支えたロゴフ・ラインハートの実証、緊縮財政や増税は間違っている。


<自己啓発>

オダギリ展子(2011)『ストレスゼロを実現する!最強の文具活用術』PHP研究所 これは便利という文具を紹介し、文具の活用方法も。セロテープがぴったりサイズで貼れるディスペンサー、すべり止めがついたメモ、TO DO、スケジュールなどのハンコ、分別不要の紙クリップなど。

オダギリ展子(2010)『仕事がはかどるデスクワーク&整理術のルールとマナー』日本実業出版社 机上には1案件のみ広げる、書類は作業段階ごとにボックスに。書類の受け入れは一箇所、ざっと目を通して付箋でポイント記入。引き継ぎ関係書類は業務の流れに沿ってリングファイルに入れる。

奥谷隆一(2010)『デスクワークを3倍効率化するテクニック―エクセルの3つの機能で仕事のスピードを加速する (DO BOOKS)』同文舘出版 VLOOKUP関数、ピボットテーブル、マクロの3つを使いこなせれば、半分以上の業務を効率化することが可能。列の右の値を返すVLOOKUP関数、データを集め直すピボットテーブル、作業をパッケージ化するVBA。

中野雅至(2004)『投稿論文でキャリアを売り込め』日経BP社 個人の実力の時代になり知識社会の中では、資格よりも自分の仕事を文章化し、様々な雑誌に投稿して世間に発表して目に見える実績を残すことが有効になっている。

吉川英一(2009)『億万長者より手取り1000万円が一番幸せ』ダイヤモンド社 日本の税金システムで最も効率のいい税率は手取り1000万円。所得税率は23%に収まる。社会人からの勉強が重要、宅建と税金が役立った。株よりも不動産が安定。

吉川英一(2005)『年収360万円から資産1億3000万円を築く法』ダイヤモンド社 毎年似た動きをする小型、低位株に投資、日本株は海外投資家のパターン、年末に買って春に売る、になる。資金を優良物件にシフト。不動産購入資金は地元の信金や国民生活公庫にトライ。


<社会問題>

兼原信克(2011)『戦略外交論』日経新聞出版社 人は良心に従って種を保存し個体を保存するために共通の意味空間を作り群れを作る。国際社会を構築しようとしたのは米国が最初であり、その主張は人権と民主主義である。優れた価値観や倫理を持つ国は生存能力が強い。

石井研士(2008)『テレビと宗教―オウム以後を問い直す (中公新書ラクレ)』中公新書ラクレ 江原、細木の霊や占いを垂れ流す一方で宗教団体の放送をタブー化する。空白化した日本人の宗教性にステレオタイプ化した宗教情報が刷り込まれ、バラエティ化し、伝統宗教を伝統行事に押し込め、新しい宗教団体の危険性を煽る。

中野雅至(2009)『「天下り」とは何か』講談社現代新書 天下りの発生要因は早期退職勧奨や年次主義などの人事労務管理。公務員の転職や再就職を禁じることは職業選択の自由を奪う。昔は官僚の専門性が必要とされたが、成熟するに連れて人事となった。


<その他>

荒濱一・高橋学(2013)『新版やっぱり「仕組み』を作った人が勝っている』光文社知恵の森文庫 一度作ってしまえば自分は動かなくとも自動的に収入が得られるシステムが仕組み。各作業を細分化して誰がやっても同じ成果が出せるようにする「標準」化。(田中正博 年商一億の保険代理店)

日経PC21編(2010)『メキメキ上達!エクセル関数ワザ100』日経ビジネス人文庫 合計・概算の時の切り上げ切り下げ、分析・試算の条件に合う数値を計算、条件を分けて計算結果を表示、日付・時刻、他の表から転記、文字の結合・分割、条件付き書式で色つけ、など。

山内志朗(2001)『ぎりぎり合格への論文マニュアル (平凡社新書)』平凡社新書 論文に必要なのは問題意識、問題設定、論証・分析、結論である。問題意識は自分の夢と同じでありやる気でもある。材料を仕入れて待つという作業が必要。ない時はケンカしてこのヤローと思うことがきっかけになったりする。

鹿島茂(2003)『勝つための論文の書き方 (文春新書)』文春新書 論文には生活で問題を立て自分の頭で思考し解決するプロセスが詰まっている。作文と論文の違いは「問い」。未知を見出すことが問いを作ること。良い論文は?で始まり!で終わる。

吉岡友治(2013)『いい文章には型がある』PHP新書 主張型文章は問題、解決、根拠の三つの要素を含む。困っている問題を取り上げ、解決を示す。根拠は理由を言い換え続ける蛇型が基本だが、並列的に根拠を示す孔雀型も用いられる。

小島直記(2012)『鬼才縦横(上)』日経ビジネス人文庫 文学少年だった小林一三は三井銀行に入行。仕事に熱意もなく、女性にうつつを抜かしていた。大阪支店時代の支店長岩下との出会いが、今後の鉄道事業につながる。

小島直記(2012)『鬼才縦横(下)』日経ビジネス人文庫 元上司の岩下によって阪鶴鉄道の監査役に。精算して箕面有馬電鉄(阪急電鉄)の創設に取り組む。サラリーマンから経営者へ脱皮。アイデアで沿線住宅開発、温泉、百貨店、宝塚歌劇団を設立。東京電気の経営にも携わり、商工大臣へ。

L. ディー・フィンク(土持ゲーリー法一監訳)(2011)『学習経験をつくる大学授業法』玉川大学出版社 統合コースデザインは学習目標、授業・学習行動、フィードバックとアセスメントが相互に機能しあうもの。どこにいてどこに行きたいのか、どのように到達するのか、授業では何をするか。

苅谷剛彦(2012)『アメリカの大学・ニッポンの大学』中公新書ラクレ 財政的援助と教育経験を積むTA、多くの文献を指定するシラバス、成績評価に敏感なアメリカの学生。大学の学びの軽量化が学習効果を下げている。が、アメリカの教育サービスに対する消費者意識が学習要求のかさ上げを困難に。

苅谷剛彦(2012)『イギリスの大学・ニッポンの大学』中公新書ラクレ オックスフォードの教育の中心はチュートリアル。教師が課題図書を指定し学生は要約と意見を書く。それをもとにして教師と学生が議論。卒業は試験により判定。採点は外部からも参加し大学が必要とする論じる能力を評価。

B・F・スキナー(山形浩生)(2013)『自由と尊厳を超えて』春風社 私たちが自由に決めて行動していると思っても実は環境の刺激によるもの、尊厳と思うものはいい行動に対する強化子。行動が環境によって決められているので、自由や尊厳というのは何か。環境は人が生存するための文化でもある。

鳥飼玖美子編(2013)『よくわかる翻訳通訳学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)』ミネルヴァ書房 翻訳の歴史は聖書や仏典。通訳は国際会議等で需要が増加。翻訳通訳は起点テクストから目的テクストへ。翻訳は目的テクストを目標に。通訳は起点テクストから状況判断が必要。
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育研究活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする