2014年03月29日

国家新型都市化計画2014年−2020年

3月16日に中共中央および国務院から《国家新型都市化計画2014年−2020年》が発表されました。

長文ですので,概要だけ整理してみました。文書の出所は新華社です(ここ)。

本計画は8部31章から成り立っています。

第1部 計画の背景
 都市化は,現代化,持続的健康的な発展の引き金,産業構造高度化の握り手,三農問題解決の道筋,地域協調発展の支え,社会の全面進歩の要求であるとします(第1章)。都市化発展の現状として,1978年から2013年までに都市人口が1.7億人増加したこと,都市化率が17.9%から53.7%まで上昇し,三大都市群の面積は2.6%,人口の18%が住み,36%の国内総生産を生み出すと成果を強調しながらも,農業人口の市民化が遅れていること,人口の都市化よりも土地の都市化が進みすぎている,都市空間の分布と規模構造が不合理,都市管理サービスの水準が低いなどの問題が指摘されます(第2章)。このような中,都市化は質を向上させる転換発展の新段階に入ったと強調します(第3章)。

第2部 指導思想と発展目標
 指導思想として,人と本とし公平に享受すること,四化(都市化,農業現代化,情報化,工業化)のペースを合わせることや都市農村一体化をはかること,配置の最適化,効率を集約すること,生態環境や文化を守ること,市場を主導にしつつ政府が導くことなどが指摘され(第4章),基本的な発展目標が数値で示されます(第5章)。

 例えば2020年までの目標として
 常住人口の都市化率         60%前後(52.6%)
 戸籍人口の都市化率         45%前後(35.3%)
 を目玉に,基本的な公共サービス(社会保障など),インフラ,資源環境について主要目標値を設定しています。

第3部 農業から移動してくる人口の秩序ある市民化
 農業から移動してくる人口に対し,小城鎮,大中小都市において定住条件の緩和をうたいます(第6章)。農民工の両親とともに移住してきた子女へ教育権利を与えること,農民工の就業能力を向上させる公共サービス体系を充実させること,社会保障のカバー率を上昇させること,農民工の住宅供給を充実させることが目指されます(第7章)。農業から移動してくる人口を市民化するコストは政府,企業,個人がともに負担し,政府の職責を明確にし,農民工が都市社会に参与することがうたわれています(第8章)。

第4部 都市化の配置と形態の最適化
 《全国主体効能区規画》にそって,東部地区は水,土地資源や生態環境に配慮して開発の最適化を目指し(第9章),中西部都市群は資源環境に配慮しながらも重点開発とし(第10章),都市群の一体化を進めるとします(第11章)。
 直轄市,省都,計画単列都市は都市化の柱であり,産業構造を高度化させ,グローバルバリューチェーンに参与し,国際化と競争力の増強を目指します。そして中小都市,とくに国境の中小都市の発展を促し,重点的には小城鎮のインフラを充実させるとします(第12章)。
 “五縦五横”の総合運輸ネットワークにもとづき鉄道,高速道路の建設を行い,貨物ステーション,港湾,空港などの最適化配置と効能を上昇させるとし,中小都市,小城鎮の交通条件を改善するとします(第13章)。

第5部 都市の持続的発展能力の向上
 遅れた産業からエネルギー環境保護かつ先進的な産業構造へアップグレードし,人材育成や技術革新の仕組みを備えて,就業創業を支援することを目指し(第14章),都市部のスラム(棚戸区)を改造し(第15章),公共交通,都市生活を支える公共サービスを充実させていく(第16章),としています。
 都市空間を適切に管理するべく都市計画建設の水準を高めることとし(第17章),緑色都市(地球環境にやさしいエコ都市),智慧都市(情報技術を活用した都市),人文都市(自然遺産を保護し文化的施設が充実した都市)を建設し(第18章),都市のガバナンス,治安,防災減災システムを新しくしていく(第19章),とします。

第6部 都市農村発展一体化の推進
 労働市場,土地市場,金融サービス面,インフラや公共サービスで都市と農村を一体化させ(第20章),国家の食料安全と重要農産品の生産を保障し,農業の発展水準や流通体系を改善していく(第21章),としています。
 郷鎮村庄においても規画にもとづいて美しいむらづくりを進め,インフラ,公共サービス,教育や医療などの社会事業を発展させていくことを目指します(第22章)。

第7部 都市化発展の体制メカニズムの改革
 居住証と人口調査を通じて人口管理方法を改善し(第23章),都市建設用地のストックを活用,農業から移動してきた人口とリンクさせて土地建設用地の供給を認め,土地使用基準や工業プロジェクトの容積率をあげて用地を集約し,国有建設用地の有償使用改革を進め,農村の土地管理,土地収用制度を改革しながら,耕地の保存をしていく(第24章),としています。
 都市化の資金保障として,財政移転制度は農民市民化とリンクさせ,地方税体系を充実し,都市建設投融資システムを透明かつ規範的なものにします(第25章)。健全な住宅供給市場を整え,保障性住宅を供給し,市場メカニズムの活用を図る(第26章)としています。
 都市化とともにエコで循環型の低炭素型の発展をするために,生態文明の評価体系を確立し,国土空間開発保護制度を設け,資源の有償使用,補償使用,所有権交易を実施し,環境への監督制度を充実させるとしています(第27章)。
  
第8部 計画の実施
 計画の実施にあたっては,国務院の各省をはじめて地方政府が協力し,中央政府がトップ設計を行い,国家発展改革委員会が主導するとし(第28章),この計画を基本にして法律関係を整備し(第29章),多くの課題についてさまざまな地域でテストケースを実施していき(第30章),健全な評価をしていくと結んでいます(第31章)。

注目したいのは,第3部と第7部です。第3部では,農民工の市民化がテーマになっており,人に焦点をあてた,これこそがまさに「新型」都市化の目玉です。また第7部は都市化を行うにあたっての体制改革があげられており,中国の特殊な都市化を考える上で,避けられないテーマといえましょう。

 

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2014年03月27日

授業準備の季節

大学という1年が学事歴で動いている職場で働いていると,あ〜この季節がきたか,という感慨を持つことがあります。

3月は卒業シーズンで,4月になると新入生が入り,新しい一年がはじまります。

とくにこの時期,授業準備が大変になってきます。正直,新年度の授業準備を3月にはじめると,あ〜いよいよ授業がはじまる,という感慨とともにプレッシャーがかかってきます。

同じ授業ネタを繰り返し使っている人(笑),あるいは何十年も大学教員やっていて授業に悟りを開いている人(笑)は,そんなプレッシャーはないんでしょうけど,毎回の授業をふり返って,メモをとっている私としては,そのメモを利用しながら改善に取り組んでいきます。時期的に追い込まれてから準備を始めるのでこの時期妙なプレッシャーがかかります。

授業期間中に書いた振り返りメモをみて,あ,そうだこんな資料あれば便利だったな,と思い出しても資料作りがタイムオーバーになってまた来年に先送りというのもあります。普段から授業準備をこつこつ積み上げればいいのですが,授業期間中でもやりたい研究や負われる原稿もありますし,長期休暇に入れば,授業のことをすっきりわすれてしまって,研究をやってしまいます。そして3月も後半に入ると授業準備にあせるということになります。(ん!?これは私だけか?)

また授業準備には「終わりがない」というのもくせものです。毎年受講生が変わると雰囲気や理解力に差が出るのはあたりまえで,さまざまな脳内シミュレーションを行って授業準備を行います。あれもやりたいこれもやりたいなど内容を充実させるのはもちろんのこと,私はグループ学習などアクティブラーニングも導入しているので,学生たちが喜々として取り組めるネタ作りやうまく回らなかった時の代替案などを考えるとほんとキリがありません。

ということで大体のところで,自分に言い聞かせて,授業準備が終了するといったことになります。

一方で,大学教員は研究には力が入ります。研究は成果が見えるのと終わりがあるからです。教育には学生という「生もの」(変な意味ではなく)を相手にして行われます。反応をみながら「あ,今日はいい授業ができたな」とか「今日のやり方や内容は今一歩だな」という感想を持ちます。実際には,後者の感想を持つことが多いので,授業の成果というものが目に見えてわかりません。

研究は成果が見えます。成果は雑誌論文や本になって現われます。また研究には終わり(というか「区切り」)があります。ある程度内容がまとまったら投稿して,レフリー意見をもらって改稿し,ジャーナルに採用されたら一区切りですし,成果となるので達成感もあります。(でも現実には,今2本ぐらいリジェクトされたり,厳しいレフリー意見をもらったりして,修正をどうしようか寝かせている(あるいは自然死しているww)ものもありますが。)

・・・とそんなことを毎年思いながら,この時期授業準備に追われていますあせあせ(飛び散る汗)
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2014年03月25日

人口減少には都市経済が重要だ。

人口減少がはじまると,現在の土地に分散しているよりも,人は集積して空間的にコンパクトな日本になった方がいいんではないかと思っています。日本は「おしくらまんじゅう政策」で人を都市圏に集めた方がよい,と吉本(2013)も指摘していますが,私もこの考えに賛同しています。

なぜ,集積することが必要なのでしょうか。

それは経済の持続的な成長には人口増加による生産拡大か,1人あたりの生産性の上昇が必要だからです。

前者の人口増加は「規模の経済」を意味します。人が多ければ多いほど市場が大きいわけですから,1つを生産するよりも多くを生産することによって生産コストは減少していきます。人口規模が大きければ大きいほど,生産コストが減少し,利益を生み出します。

でも,人口減少はこの「規模の経済」を期待することができません。実際,日本はアメリカ市場に依存していますし,今では中国市場に依存しています。

となると,人口減少の時代には2番目の1人あたりの生産性の上昇が重要になってきます。生産性の上昇には「集積の経済」が有効です。

「集積の経済」とは集まることによって,(1)熟練労働者が集まっていて雇いやすい,(2)原材料や中間財が手に入る,(3)新しい技術や情報がすぐに得られる,というメリットのことを指します。アメリカのシリコンバレーなどはまさにこの集積の経済を享受しています。

また集積の経済で重要なのは「多様性」です。多様性は新しい情報や技術の開発に貢献します。フロリダ(2007)の研究でも,多種多様な人たちが集まり議論したり交流したりして新しい考えが生み出されることが指摘されています。

技術進歩と人口には3つの効果があります(加藤2007)。一つ目は規模の経済喪失効果です。規模が縮小することによって技術開発の速度が低下します。二つ目は創造性喪失効果です。若年労働者が減ることによって若年層が持つ創造性や積極性が乏しくなり技術進歩が鈍ります。三つ目は労働節約促進効果です。労働以外の生産要素を相対的に多く使おうとすることにより技術進歩を促進させます。

平成15年の経済財政白書のOECD諸国を対象にした分析によれば,就業者数の減少は技術進歩を促すという結果もあります。つまり先進国における就業者数の減少は教育、職業訓練の向上によって生産性を高めることができたといえるでしょう。この意味では,技術進歩と人口の3つの効果のうち,規模の経済,創造性の二つの喪失効果よりも労働節約促進効果の方が大きかったと結論づけられそうです。

日本の生産性を上昇させるために,高等教育を充実させることはもちろんのこと,集積を促して創造性喪失効果を相殺することが重要だと思います。

ついでに指摘すると,集積して都市をコンパクトにすれば,都市以外の自然を保護し,広がりすぎた社会資本のメンテナンス費用が減るので,人口減少化では都市化は重要になってきます。

<参考文献>
加藤久和(2007)『人口経済学』日経文庫
リチャード・フロリダ(井口典夫)(2007)『クリエイティブ・クラスの世紀』ダイヤモンド社
吉本佳生(2013)『日本の景気は賃金が決める』講談社現代新書
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2014年03月20日

『経済は世界史から学べ』

ダイヤモンド社編集部の方からご献本いただきました。



本書の特徴はタイトル通り,世界史の出来事で経済の仕組みを理解しようというものです。

理解できる経済の内容としては主にマクロ経済の分野です。通貨の意味,中央銀行,国際通貨体制と金融システムを理解し,貿易,財政へと話が進んでいきます。

経済を理解している私のとっては経済にまつわる世界史の解釈(仮説)部分が面白かったです。

例えば,

戦国時代に日本銀が世界に流出したため,江戸時代になって幕府は鎖国に踏み切りましたが,その理由はキリスト教のみならず銀の流出を恐れたから,というくだりや,明治政府は一香港ドル銀貨を一円銀貨を発行し銀本位制を採用,その後日清戦争勝利により賠償金で銀を手にいれ、金に交換、金本位制にできたことが日本の独立を可能にした,というくだりは思わずほ〜と感心しました(p.44)。

また,

連合国の戦時国債を買受けたアメリカは,世界最大の債権国になった。イギリスフランスの債権をくずにしないために第二次世界大戦にアメリカが参戦,そして米ドルが国際通貨になった(p.49)。

という経済にまつわる面白い解釈を紹介しています。

その他,

中国王朝交代の法則としては,「官僚機構の肥大化と軍事費の増大→増税と民業圧迫→景気後退と貧困層の増大→農民暴動と軍の離反→王朝崩壊」という案を提示しています。

このように世界史の新たな側面が知れて,ちょっとした飲み屋での雑学ネタにもなりそうな話題が盛り込まれています。

最後にターゲット読者層について触れておきたいと思います。

著者が受験業界の世界史の専門家であることから,もしかしたら受験世界史を終えて大学に入学したばかりの学生が経済を知ろうとして,本書を手に取るかもしれません。

でも,対象世界史は現代史が中心であること,受験業界で世界史専門の筆者が日本経済を説明するときに少なくない日本史を解説している(もちろん日本史も世界史の一部ですが)ので,ちょっと期待はずれになる可能性大です。

古代〜近代を中心に受験世界史を学んできた高校3年生が大学1年になって読んでみると,持っている世界史の知識で経済がさらに理解進むかというとなんともいえません。

したがって,学生ターゲットを越えて,これまで経済の仕組みをほとんど知らなかったけど歴史は好きだったんだというサラリーマンには電車で手軽に読める本だといえます。ついでに経済の知識がある人が読んでも,歴史の「へ〜」がわかる本にはなります。

ご献本ありがとうございました。
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2014年03月18日

マレーシア,中国出張

3月11日から15日まで,クアラルンプールと厦門に出張してきました。

国際交流センターの仕事として,マレーシアでは教育省とBerjaya University College of Hospitality,そして中国は厦門大学を訪問し,交流関係の構築,拡大について話をしてきました。

とくに印象に残ったのが

Berjaya University College of Hospitalityです。

簡単に言うと,ホテル,不動産,小売,製造業など多彩な事業を展開しているBerjayaグループが経営する,「おもてなし(Hospitality)」専門の単科大学です。特徴はグループ企業での研修(インターンシップ)です。

日本からも杏林大学,創価大学が数週間の英語研修,そして数週間のインターンシップを体験するプログラムをやっていました。

正直,ホテルやレストランなどは専門学校がやることと思っていましたが,Hospitalityの内容が高度化して高等教育課程の一部になるというのは実際に見てみて,納得しました。

とくに多民族国家であるマレーシアでは,ただの接客業ではなく,客の文化的背景を理解しておかないと,国際標準の5つ★ホテルなどでは通用しないようです。

そもそもアメリカにもHotel Managementのような専門分野もあるわけで,サービス産業が発展してくるとそこで求める人材も高等教育が必要になってくるということかもしれません。

非常に勉強になりました。

<ホテルみたいな学生カウンター>
Berjaya1.jpg

<実習を行うレストラン型の教室>
Berjaya2.jpg

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2014年03月11日

『国家はなぜ衰退するのか』アセモグル・ロビンソン

中国の一党独裁体制による持続的な経済発展は可能なのかどうか,これを考えるのに『国家はなぜ衰退するのか』はとても参考になりました。



本書の主張は,国家の繁栄には包括的な(政治経済)制度が必要だ,というものです。この主張のための根拠として歴史的な事実を多く示してきます。

制度には,政治制度と経済制度があり,包括的な制度と収奪的な制度があるとします。世界の大部分は一部の独裁者が富を収奪する収奪的制度を採用しており,政治権力が多元的でかつ私有財産制,公平な法体系,公共サービスが政府によって提供され,取引は契約によって市場で行われるという包括的な経済制度を採用している国は少数派であるといいます。

制度を整理すると

       政治      経済
―――――――――――――――――――――――
収奪 | 権力の一元化  富を少数者が独占
   |
包括 | 権力の多元化  所有権
   | 法の下の平等  平等な機会
   | 自由なメディア 技術の発展

となります。

アフリカでは収奪的制度が採用されていますし,南米も見た目は民主主義的ですが実際には収奪的制度になっていることが示されます。歴史的には偶然や小さな相違が働いて,社会が包括的な制度を採用し,繁栄してきたとします。その例としてイギリスがあり,アメリカがあります。

国家ができると最初はどこも権力の集中化が行われます。その権力を成長してくるさまざまな社会階層に付与していく過程においては革命的なものもあったり,禅定的なものもあります。そして一旦分配された権力を再集中することが不可能になれば国家は包括的政治制度になります。

権力が各階層に配分されると,各人の所有権という権利が保障されるようになりますし,権利が平等になり,市場という公平な場所での競争が開始されます。包括的経済制度への移行です。そして包括的な経済制度を持つ国では,新しい技術が開発されます。新しい技術を支え発展させる人材をもつ教育制度があります。新しい技術と産業が経済成長をもたらします。

アセモグル・ロビンソンは,収奪的制度であっても中央集権化がなされている国はある程度発展するとします。例えば,ソ連が農業から重工業へ投資を強制的に配分することによって工業成長を可能にしましたし,中国は収奪的政治制度でありながらも中央集権的であり,改革開放によって,包括的経済制度を採用し世界が刮目する経済成長を成し遂げてきました。

ただ中央集権的であり,包括的な経済制度を採用していても,収奪的政治制度だと繁栄は限定的だといいます。一番大きな原因は,新しい技術が発明されると自分の権力が脅かされるのではないか,というおそれが権力者をして技術の普及を拒み,新たな技術革新の芽を摘んでしまうことになってしまうからです。ですから,政治権力の多元化(いわゆる民主化)は国家の繁栄に必要不可欠だとなります。


中国は「中国モデル」という政府独裁的な経済発展モデルを賞賛された時期があります。アセモグルらに言わせるとそれは一時的なものということになります。また民主主義制度が経済発展に本当に必要なのかを提起したコリアーの議論(『民主主義がアフリカ経済を殺す』書評はここ。)にも真っ向から対立します。私も独裁制度は経済発展に中立的でありうるのではないかという意見を持っています(例えば「「中国の特色ある社会主義」の政治制度とは」を参照)。

たしかにメディアに自由がない,意見表明の自由がないは新しいアイデアへの制限になるかもしれません。アメリカで新しい技術が生まれるのはまさに自由だからだということもできます。でも日本は自由だからといってアメリカを超える技術革新がバンバン生まれているかといえばそれは疑問です。

技術やアイデアが新しく革新的になるのは,自由よりも多様性の存在のような気がしています。アメリカでは移民を受け入れ,様々な価値観を受け入れる,そして価値観のやりとりの中で新しい見方が生まれるでしょう。その時に政治的価値観を表明する必要があるのかどうかはわかりませんが,それが多様であってもアメリカを支持するのであれば,それはそれでOKになるような気がします。

シンガポールも独裁国家ですが,自由は感じますし,日本の嫌中派の人々もシンガポールの一党独裁にかみつくことはありません。その意味では,アセモグルらがいうように中央集権的であることが重要で,そして政治権力の一定の歯止めがあれば,経済発展は可能なように思います。

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2014年03月06日

グローバル人材に物申す

2月27日に開催された大学改革シンポジウム「グローバル人材になるには」(日本経済新聞社主催)に参加してきました。参加者の大部分が現役の学生でした。

違和感を感じたのは登壇者を含めて,海外経験はアメリカ,イギリスが中心だということです。(パネリストのうちのお一人は子どもの頃シンガポール滞在を経験していますが。)

グローバリズム,グローバリゼーションという流れはアメリカからやってきているので,アメリカの多民族共生,ツールとしての英語の重要性はよくわかります。インド,南米,アフリカなどの人々と交流し,多様性を理解していって,コミュニケーション能力をつけ,自分の意見をはっきりいうことの重要性をアメリカで学ぶことは多いでしょう。

現役の学生がこういうシンポを通じて,グローバル人材とは,アメリカで多民族の人々とコーラを飲みながらホットドックをかじりつつ英語で交流することと思われるとちょっとミスリーディングな気がします。なぜなら,地政学からみると日本はアジアに位置し,近隣諸国である韓国や中国,そして東南アジア諸国ともつきあっていかなければならないからです。

この意味では,アメリカだけでなく韓国や中国などでの異文化体験やその違いを受容する包容性をもったグローバル人材も必要ではないかと思います。ある意味,アジアのNon-Native English Speakerと英語でやりとりしつつ,アジアの多様性(や現地語)を理解して,近隣との関係をこなしていく人材も欲しいものです。
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2014年03月04日

2014年2月読書ノート


今月はいい本がいろいろあって一冊に絞りにくいです。いい本についてはおいおい別エントリで紹介するとして,今月は日本の農業関係,満洲国関係の本が全体的によかったです。

日本の土地,農業,担い手としての農民の状況が新書三冊でずいぶんと理解が進みました。わかりやすさでは本間さんのものですが,生源寺さんのもオススメですし,神門さんのも農業者の技能を主張する,それぞれの特性が出たいい本でした。

満洲についても,植民地構想から建国に方針が転換となった国際・国内政治の流れが理解できましたし,理想と現実が離れていく,とくに五族協和を謳いながら日本人は優遇され現地にとけこまない様子(植民)がわかりました。

これらはほとんど新書ですが,あらためて日本の新書の水準の高さを感じました。

<経済>

吉田寿夫(1998)『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』北大路書房 データの特徴を少数の数値を用いて記述し(記述統計)、主張したい理論や仮説を支持するかどうかを吟味する(推測統計)。データ数が多いと有意になりやすい。

柏木吉基(2013)『「それ根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本』日本実業出版社 伝え手と受け手が共に理解している統計分析が説得力を持つ。平均、ヒストグラムと標準偏差、相関、単回帰。目的→仮説→手段の思考パターンで。伝えたいポイントを吹き出しで。比較も理解に有効。

三宅秀道(2012)『新しい市場のつくりかた』東洋経済新報社 トイレでお尻をどうするかという問題開発から温水器、ポンプという技術開発、トイレに電源を用意する環境開発、社会に良さを広める認知開発、社会的な生活習慣になって新たなライフスタイルに。問題設定が新しい市場を作るカギ。

ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン(鬼澤忍)(2013)『国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源』早川書房 国家が衰退するのは収奪的な政治制度に支えられた収奪的な経済制度を持つ時。収奪的な制度のもとで成長が起こるケースは中央集権化がされていること。

ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン(鬼澤忍)(2013)『国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源』早川書房 包括的制度は所有権を強化し平等な機会を創出し新たな技術への投資を促す。収奪的制度は資源を少数が独占、所有権は保護されず経済活動の誘引がない。

ダニエル・コーエン(林昌宏)(2013)『経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える』作品社 人類はマルサスの法則に支配されていたが、欧州は国家間競争によって技術の進歩を基盤とする成長を可能に。ただし物質文明に満たされることがない。電脳世界の発展で非物質グローバリズムが進展。

ティモシー・テイラー(池上彰監訳)(2013)『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門ミクロ編』かんき出版 経済学の基本的問いは、何を社会は生み出すべきか、どうやってそれを生み出すのか、生み出されたものを誰が消費するのか、である。分業、需給、価格統制、労働・資本市場、独占など。

ティモシー・テイラー(池上彰監訳)(2013)『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門マクロ編』かんき出版 マクロ経済政策の目標は高い経済成長、低いインフレ、低い失業率、持続可能な国際収支。分析枠組みは総需要・総供給モデル。短期的には需要が長期的には供給が重要。

<中国>

小島麗逸編(1978)『中国の都市化と農村建設 (1978年)』龍渓書舎 一五計画で毎年2、300万人が農村から都市に流入。重工業は雇用の増大によって不利であり、それを救う方法が1958年の人民公社化であった。大躍進期に「小集中、大分散」という都市建設の方針が生まれ文革の中で定着した。

吉田忠雄(2009)『満洲移民の軌跡 (人間の科学叢書)』人間の科学新社 明治初めに35百万人だった人口は昭和10年代に7千万人に。産児調節論は影をひそめ,軍人と貧困農民を救うユートピアとして満洲があった。満洲国は新国家に帰化することを目的とせず自国の文化や生活を持ち込む「植民」であった。

小林英夫(2008)『〈満洲〉の歴史 (講談社現代新書)』講談社現代新書 日露戦争で満洲におけるロシアの鉄道と付属利権を手に入れ満鉄が発足。満洲統治は領事館、関東軍都督府、満鉄の三者によるもの。東北の張作霖軍閥を支援し、占領方針から満洲建国方針へ転換。理想論と現実の狭間で13年の歴史を終える。

山室信一(2004)『キメラ―満洲国の肖像 (中公新書)』中公新書 「民族協和、安居楽業、王道楽土を謳った満洲国は、民族差別、強制収奪、兵営国家という色彩を。国家は国民なき複合民族国家、モザイク国家ともいうべき。(略)支配機構、統治組織だけからなる装置としての国家」p298

<自己啓発>

狩野みき(2013)『「自分で考える力」の授業』日本実業出版社 自分の意見の作り方は、@その事について自分はどれだけ知っているか確認し、Aわからないこと、知りたいことを調べる、B自分の意見を持つ、の3ステップ。

戸田山和久(2012)『新版 論文の教室―レポートから卒論まで (NHKブックス No.1194)』NHK出版 論文はぼんやりした問題意識からアウトラインをひねり出し、それを種として育てるもの。自分の答えがない場合、本当に?どういう意味?いつどこで誰?いかにして?どんな?なぜ?どうやって?他はどう?などで考える。

<社会>

梶山恵司(2011)『日本林業はよみがえる―森林再生のビジネスモデルを描く』日経新聞出版社 皆伐による民間による木材生産、植林する森林組合というモデルは崩壊。保育林の維持が必要で、持続可能な間伐・木材生産が進むシステムに。路網の整備、間伐、木材生産、バイオマスなど幅広い産業へ。

神門善久(2012)『日本農業への正しい絶望法 (新潮新書)』新潮新書 農地利用が乱れ、地権者エゴをもつ農家などが宅地に転用する。技術ではなく技能を磨く人が減り、技能集約型農業が不可能に。農地基本台帳を整備し、消費者は本当の農作物に敏感になるべき。

生源寺眞一(2011)『日本農業の真実 (ちくま新書)』ちくま新書 迷走する農政。ポイントは人づくりと生産調整。耕作放棄地の増加に伴い自給率目標の設定。担い手を盛り立てる認定農業者制度、経営安定化のための所得補償。供給過剰にともなう生産調整と参加者へのメリット措置の問題。

本間正義(2014)『農業問題: TPP後、農政はこう変わる (ちくま新書)』ちくま新書 農業問題は構造調整問題。生産性の低い資源を他の分野へ移動させること。問題はコメの減反政策が集団カルテルとなり高価格を形成、農地の所有制限を通じた参入制限、競争が制限・優遇されている農協、これが調整を困難に。

<その他>

葉室麟(2012)『風渡る』講談社新書 軍師官兵衛はキリシタンとして信長を打つために秀吉、光秀につく。キリシタン大名の子であることがわかった南蛮風情を持つジョアン。キリシタンの居場所を求めて、戦国時代を生きる人々。

葉室麟(2013)『陽炎の門』講談社 平侍から37歳の若さで執政にまで出世した桐谷主水。20年前に後世河原で起きた藩士20子弟数名の決闘騒ぎの責任で切腹を命じられた綱四郎は、主水の仕業であったとされた。仇討ちをせんとする僑之助、それを楽しむ主君興世。主水ははめられるのか?

奥山清行(2013)『100年の価値をデザインする-本物のクリエイティブ力をどう磨くか』PHPビジネス新書 目に見えない日本人のセンスを生かしたからこそ世界的デザイナーになれた。本質を見極め枝葉を大胆に削ぎ落とす。

梅原猛(2002)『梅原猛の仏教の授業』朝日新聞社 宗教が文明の基礎。神がなければ文明はなかった。仏教は慈悲の心が大事で、平等と知恵を合わせた3つが原理。国家主義で天皇崇拝を真ん中におき、仏教を排除した。無神論者として生きてきたが宗教の説くあの世に寛容になった。

キャロル・タヴリス、エリオット・アロンソン(戸根由紀恵)(2009)『なぜあの人はあやまちを認めないのか』河出書房新社 自尊心、心情と行動の結果が違った時不認知が発生しそれを協和させるために自己正当化を行う。人は間違いから学習して成長していく意識を。

林貞年(2012)『誰にでもできる催眠術の教科書』光文社新書 新書 人間は現実の物事をそのまま認識しない。思い込んだものを脳に伝える。間違った認識、錯覚という能力を引き出すのが催眠。催眠は人をコントロールするのではなく持っているものを引き出すこと。

レナード・ムロディナウ(水谷淳)(2013)『しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』ダイヤモンド社 現代の神経科学は人間の知覚は錯覚であると。知覚を処理するのは無意識が行い世界のモデルを作る。自分自身に対する前向きな錯覚をもつことが個人と社会に利点となる。

中川信子(2009)『発達障害とことばの相談-子どもの育ちを支える言語聴覚士のアプローチ』小学館101新書 コミュニケーション意欲は言う側の能力ではなく、受け取る側が聞く意欲を持っているかどうか。周りにいる人が「聞くよ」という姿勢が大事。

千住淳(2014)『自閉症スペクトラムとは何か: ひとの「関わり」の謎に挑む (ちくま新書)』ちくま新書 自閉症の人の人や社会との関わり方の違いの研究成果を示す。自閉症の基礎研究から、個人の育ちと社会の働きかけを変えることで個性が障害につながることを防ぐ可能性を語る。
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2014年03月01日

東莞の「掃黄」(風俗産業の取り締まり)

2月9日の中央電視台の報道をきっかけに中国全土が東莞の風俗産業取り締まりに注目が集まっています。メディアの報道も過熱しており,中国国内でもこの取り締まりについては疑問視する声もあります(ふるまいさんの『東莞,東莞』はそのあたりの状況が詳しい良記事)。


1.マクロ経済への影響

東莞市は中国広東省の東南部に位置し,香港と広州の間にある多くの香港や台湾資本の集積によって発展してきた都市です。ハードディスクなどのPC部品の生産においては世界的シェアを占め,世界のパソコン製造業を支えています。(東莞市の概況についてはJETROのこのまとめを)

東莞は性都と呼ばれるほど,風俗産業が発展していました。外国投資に付随する単身赴任者,商談にともなう出張者などの需要により,ホテルやレストラン等の産業とその闇として風俗産業が発展してきました(一般に,単身男性者が多くて女性が少ないところでは風俗産業が発展しやすいです。例えば新大陸開発のアメリカなど)。その発展ぶりは「東莞スタンダート」として中国全地域の風俗産業に影響を与えました。

東莞市の人口は820万人,風俗に従事する女性は25万人と言われています。また今回の取り締まりによって,東莞市GDPの約10%,500億元の損失だという推計もあります(「东莞扫黄扫掉500亿元GDP」)。

所得を生み出していた風俗産業への打撃のみならず,投資や経済の将来見通しについて投資家のマインドを冷却する可能性も無視できません。東莞の経済発展に対しては大きな打撃になることは間違いないでしょう。

そもそも中国全土では400万人から600万人が風俗産業に従事しており,何清漣は乱暴ながらも2006年の美容産業のGDPに占める割合が1.8%,従業者数が1120万人の規模,これが風俗産業の経済規模だとしています。いずれにせよ,直接的な性サービス(売春など),間接的な性サービス(ストリップなど),関連産業(雑誌や性具生産など)を合わせると少なくない規模の産業であることは間違いないでしょう。


2.風俗産業の合法化議論

私は,風俗産業の合法化あるいは市場化をする方がよいという立場です(前のエントリ「「市場」の有効性―葉海燕の活動を事例に」を参照)。

もちろん無条件ではなく,物事の分別のつく大人が自らの合理的判断の結果,風俗産業に参入するという場合のみです。

この前提が満たされているとして合法化・市場化のメリットを考えてみましょう。

ヨーロッパではドイツで合法化されているようです(「ドイツの売春自由化がもたらしたもの」)。

その根拠としてあげられるのは以下の4つです。

(1)税金をとることによって,政府が性取引参加者の保護を行うことが可能になる。
(2)「表」の産業にすることによって,価格単価が上がる可能性がある。
(3)顧客の選別が可能になり,性供給者の安全を確保することが可能になる。
(4)不法な人身売買組織に性供給者が流れるのを防ぐことが可能になる。(実際ドイツでは人身売買件数が2001年の987件から2011年の482件に減少した。)

中国でも合法化や市場化の議論があります(例えば「【热点热评】:东莞被扫中国性交易是否该合法化」)。

それによると,合法化の根拠として,

(5)大陸の男女比率は歪んでおり,約4000万人の男性が伴侶を得ることが不可能であるため,強姦事件の減少に役立つ。
(6)1984年から1998年に中国政府が売春を厳しく取り締まったにもかかわらず売春事件は反対に192倍伸びた。
(7)詩人など文化人のイロモノは中国文化の繁栄を示すものだ。
(8)世界的にオランダをはじめとして性取引の合法化は世界潮流だ。

があげられています。上記(7)(8)はこじつけですが,(6)は(4)の根拠と近いものがあります。ちなみに(5)はヨーロッパや明治期の日本が軍隊の規律を守るために公娼制度を採用した根拠にちかいです(藤目1998)。

(1),(3)に関連するものでいうと,台湾の衛生署が1991年に発表したところによると,梅毒の場合私娼の罹患率は公娼よりも42倍高いデータがあります(「性交易合法化的国际经验」)。

風俗産業合法化へ反対する意見もあります。その根拠として,他人による斡旋や強要というケースも少なくないという事実がよく指摘されます。喜んでやっているという人は少なくおそらく大多数の人が何かしらの事情(とくに貧困)でそういう職業を選ばざるをなかったというのも事実でしょう。ただ他産業でも児童労働や劣悪な環境での強制労働はありうるわけですから,風俗産業だけが強要と斡旋にさらされている忌むべき産業というわけではないと思います。

その他にも

(9)官僚の「怪しい」消費を減らすことが可能。

であると何清漣は論じます。そもそも地下に潜っているからこそ,官僚たちは黙認しそのサービスを享受してきたわけですから,これが地上経済に出てくると,官僚たちの不正消費を行えない可能性が出てきます。


3.中国での性風俗産業の展望

今回の東莞市の大々的な取り締まりで,事実上の重要産業である風俗産業はどうなるでしょうか。

金銭による性取引は歴史的に禁じても存在してきたのは事実であり(バーン&ボニーブーロー1996),中国でも文化大革命時であっても上海で売春が横行していた事実もあります(「性交易合法化的国际经验」)。

その意味では,一時的になくなったとしてもゼロにするのは無理でしょう。

むしろ中国の風俗産業の取り締まりで問題なのは,買う側(主に男性)は無罪であり,売る側(主に女性)が有罪という明らかに弱者に不利になっているということです。金銭的性取引に参加する女性はなにかしら生活困難を抱えているのが常であり,その結果として有罪になるというのは問題でしょう。

非合法であっても,日本の売春防止法のように罰則規定のない,あくまで金銭的性取引を抑止するためのものと位置づけ,性取引に参加する女性の地位向上や保護を目的とすることが必要です。


<参考文献>
バーン&ボニー・ブーロー(1996)『売春の社会史(上下)』筑摩書房
藤目ゆき(1998)『性の歴史学』不二出版
「何清涟:大而不能倒:性产业对中国GDP、就业的关系」『VOA米国之音』(http://www.voachinese.com/content/heqinglian-china-gdp-20140211/1850042.html,2月21日アクセス)
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