2014年10月28日

4ヶ月TOEICの勉強をした結果wwww

2014年5月末にTOEIC受験を決意し,7月末の第192回公開テストで910点,9月末の第193回公開テストで985点をとることができました。この4ヶ月の受験体験記を紹介します。

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(2014年9月第193回公開テスト結果)

<なぜTOEICを受験するか?>

TOEICを受けることにしたのは,校務でスーパーグローバル大学創成事業の準備をしたのがきっかけです。他大学がグローバル化を見据えて学生にTOEICやTOEFLなどの点数アップを課すようになり,うちの大学でもおそらくSoon or later導入することになるかもしれない,そうするとある程度の点をとっておかないとしめしがつかないのでは,と思ったわけです。そこで英語学科の先生の話を参考にして目標点数を900点としました。
≪参考:過去のTOEIC戦績≫
1991年?  790(ぐらい)
1992年?月 820
2009年10月 785
2014年 7月 910

<何を勉強するか?>

TOEICが試験である以上,試験対策をすれば高得点が可能です。そこで試験勉強の王道,「過去問の繰り返し」がベストなのですが,TOEICには過去問がありません。そこで,TOEICテストを運営しているETSによる公式問題集,普段からTOEICを受けている講師によるもの,そしてできれば安いものw,を基準に選びました。私がやった問題集の一覧です。参考になるように各問題集に一言コメントをつけています。

《単語》
◎TEX 加藤(2012)『新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ』朝日新聞出版社(名著!!)

《リスニング》
・柴山かつの(2010)『スコア900へのTOEICテスト パーフェクトリスニング』ピアソン桐原(図書館で見つけたのでw 傾向はビジネス系にやや偏り気味)
・森田鉄也(2012)『新TOEIC TEST パート1・2 特急難化対策ドリル』朝日新聞出版社(Part1と2の練習にはなったけどいいのかどうかわからない)

《文法》
◎花田徹也(2010)『新TOEIC TEST 文法特急2 急所アタック編』朝日新聞出版社(1駅1題の文法の方が人気だが,新しいということでこちらを使った。TOEIC文法の考え方がよくわかる本)
・加藤優(2011)『新TOEIC TEST 900点特急 パート5&6』朝日新聞出版社(難問ぞろい。ここまで必要か?とも思う)
・森沢洋介(2006)『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』ベレ出版 (中学英語を簡単に総ざらいするために一回だけ読んだ)
・James M. Vardaman(2012)『毎日の英文法 頭の中に「英語のパターン」をつくる』朝日新聞出版社(これも中学英語総ざらい用に読んだだけ)
・大西泰斗・ポール・マクベイ(2011)『一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)』ナガセ(ざっと全体を2回ほど目を通したあと,模試復習で解説が分からないときなどに検索用で利用)

《リーディング》
・中村澄子(2014)『TOEICテストパート7 出るのはこれ! 』講談社(図書館にあったので一通りやっただけ。)

《模試類》
◎Educational Testing Service(2009)『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.4〉』 国際ビジネスコミュニケーション協会
◎Educational Testing Service(2012)『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.5〉』 国際ビジネスコミュニケーション協会
(この2冊の公式問題集は全部吸収したい)
◎大里秀介(2013)『3週間で攻略 TOEIC(R)テスト 900点! (CD-ROM・別冊付) (TOEICテスト 残り日数逆算シリーズ)』アルク(模試の勉強の仕方がわかるすぐれもの)
◎花田 徹也(2011)『TOEICテスト超リアル模試600問(CD-ROM付)』コスモピア(いい模試。)
○アン・ノチャン(2013)『新TOEICRテスト スーパーリアル模試1000問 【CD-ROM付き/MP3音源】』宝島社(コストパフォーマンスのいい模試。たくさん解きたい時にはぴったり。)

《その他》
Yuki's Morning TOEIC English Channel』(Yutubeと無料メルマガ。ゆきさんという人がいつも胸を強調した服装で役立つフレーズを毎日一つずつ紹介している。最初の勉強の動機付けになったwww)


<いつ勉強するか?>

大学教員だからヒマだろうということはまったくなく,普段から校務の雑務,授業の準備,そして研究論文や雑文の執筆のおわれています。幸い私は通勤時間が往復四時間あるので,これまで読書にあてていた通勤時間を基本TOEICの受験勉強にあてました

とはいえ,乗り換えが多いので,まとまった時間は武蔵野線の43分,東武東上線の34分です。リスニングの模試一回分(50問)は,45分ですので,片道の通勤で,乗り換え挟んで一回は解くことが可能です。リーディングは75分(50問)ですので,片道で半分から3/4は解くことが可能です。

試験日が近づくと模試を解くことが増えますが,基本は単語,リスニングの写真描写問題(Part1),応答問題(Part2),リーディングは文法・語彙問題(Part5)という苦手分野中心だったので,一回の通勤で上記参考書を繰り返していました。

ただ本番は二時間ぶっ通しの試験です。週末の時間があるときには家族に断って,まる二時間を確保し,試験と同じように全体を解くなどの工夫をしていました。


<どう勉強するか?>

やっぱり効率よく最短距離で目標に到達したいと思いました。基本は2ヶ月で目標達成をねらい,実際うまくいったわけですが,ちょっとTOEICにはまったこと(笑),やっぱり狙うなら950超えたいという欲が出たので,結局4ヶ月やりました。長期間試験勉強するにはモチベーション維持が大変なので,やはり短期決戦がもっとも効率がよいと思います。その意味で,勉強する期間と目標とする点数を決めることは重要です。

久しぶりの試験勉強は感覚が鈍っています。模試以外ではただ単純に同じ本を繰り返しやるというものでしたし,リスニングも通勤時間を使ってながら聞きをするというものでした。(今思うと「ながら」リスニングは効果がないように思う。)

でも途中で知った「3回チャレンジ法」というのを採用することによって,より勉強の効率があがったように思います。これは模試を使った勉強法で,TOEICクラスタではヒロ前田さんというTOEIC講師が主張する勉強法として有名なものです(こちら)。

3回チャレンジ法とは

1回目は時間を計って解く。(答え合わせしても解説は見ない。)
2回目は時間無制限で,納得する答えを導いてから解答する。
これにより,1回目は試験での実力,2回目は英語の実力がわかります。2回目の方がいい結果になるので,1回目との差を埋めるべく復習することによって本番の力を最大化させます。
間違えたところや勘で答えたところを復習し,しっかり解説読んで理解したあと,最後に
3回目を時間を計って解く。

というものです。3回目の試験で満点になるようになれば,その模試からすべてを学び尽くしたことになるわけです。でも実際は200問中98%程度の正答率でした。

とにかく決めた問題集を何回も繰り返すというのは基本だと思います。(でも他の本に目移りしたくなるんですけどねww)


<本番はどう望むか?>

TOEICは英語自体は専門的な語彙が出ることはないので平易な文章です。ただ120分で200問という大量の問題を短時間で処理する能力が試されます。その意味で,本番では戦略をたてて問題に取り組む必要があります。

リスニングでは,各パートの最初に問題の解き方についてのナレーションが入ります。そのナレーションの間にできるだけ先の選択肢を押える,TOEICクラスタでいう「先読み」が重要になります(Part2以外。Part2は問題解答は問題用紙に載っていない)。Part1は写真に一通り目を通し,Part3,4は質問と選択肢にできるだけ目を通しておきます。Part3,4ではとくに固有名詞(人名,地名),時間(曜日,日付けなど)に注意を払いました。

リーディングでは,多くの人はPart5,6を20分で解いてPart7に移行,というらしいのですが,私はPart7からやる戦略を採用しました。私はPart5,6(文法・語彙問題)が苦手で,Part7は最も得意とするところでした。

75分の試験時間のうち,Part7のダブルパッセージ(二つの文章を参照して答える問題)を先にやり,その後シングルパッセージ(一つの文章を参照して答える問題)をやって,Part7を50分で終わらせるという方法にしました。のこりの25分を使ってPart5,6に取り組みました。,私は文法問題に時間がかかりすぎて,得意のPart7に影響を与えるということから,このようなスタイルを採用しました。


<その他>

私がTOIEC受験で役だったのはTOEICの世界観を持つということでした。リスニングにせよ,リーディングにせよTOEICはビジネスの場面というのを意識しています。その中でもおもしろい特徴を持っています。

新入社員の研修(ワークショップが頻繁で講師はまず遅れるww)
電車や飛行機は遅れるwww
会社の売り上げは伸びっぱなしww(それを記念したパーティが開かれるw)

このような特徴を理解すると,会話を聞く,文章を読むというときに「どのような場面か」が想像つきやすく,世界観に合った選択肢を選ぶことが可能になります。(オススメはヒロ前田・清涼院流水(2013)『DL特典付 不思議の国のグプタ―飛行機は、今日も遅れる』アルク)


<TOEICを勉強するにあたってのアドバイス>

TOEICは狙う点数によって勉強の仕方が変わります。上級者(900点以上を目指す人)は上記を参考にして,とにかく模試を何回も解くことが必要でしょう。TOEICクラスタでは模試10回分(2000問)が900点突破の一つの目安のようです。

それ以外の人にアドバイスするとすれば以下の方法をすすめます。

《初心者(500点を目指す人)》

*単語と文法を復習しておく
*Part1,Part2,Part5,Part6の得点を目指す
オススメ参考書
Educational Testing Service(2013)『TOEICテスト 公式問題で学ぶボキャブラリー』国際ビジネスコミュニケーション協会

《中級者(700点以上を目指す人)》

*単語をさらに増やす
*Part1,Part2,Part5は基本として,自分の興味あるネタであればPart3,4,Part7の問題は解けるようにする。
オススメ参考書
TEX加藤の『出る単 金フレ』
Educational Testing Service(2011)『TOEICテスト公式プラクティス リスニング編』 国際ビジネスコミュニケーション協会
Educational Testing Service(2014)『TOEICテスト公式プラクティス リーディング編』 国際ビジネスコミュニケーション協会

参考書に悩んだら,濱崎潤之輔さんの『独学でTOEIC990点を目指す!』というブログでTOEIC教材チャート【Vol. 2】.pdfが公開されているので,これを参考に選ぶのもいいでしょう(常にアップデートされています)。


以上,4ヶ月のTOEIC受験体験記でした。みなさんのご検討をお祈りします!
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2014年10月21日

授業のサポートページ(アジア概論,国際経済論)

私の授業の履修者のために以下の授業サポートページを提供しています。

レポート提出はここからお願いします。

アジア概論A(火曜日2限)
https://sites.google.com/site/ajiagairon/

国際経済論B(経済学,国際関係各論)
https://sites.google.com/site/kkskzrsprt/
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なぜ私大は政府から補助金を得るのか?

日本は学費がOECD諸国の中で最も高い国です。また国公立と私立の学費の差も大きいです。日本では私立大学が学校数でも在学生数でも全大学の7割を超えています。私大が日本の高等教育に貢献しているのは確かです。

そこで私大への補助金を増やそうという考えがあります。

私立大学の補助金の根拠は、教育は公共財という見方です。教育成果は人々の知識供与を経て科学技術の進歩や社会の進歩など国民全体に行き渡るので、その費用は国民全体で負担すべきものというものです。

一律の補助金提供には批判もあります。教育水準の低い私立大学にも税金が提供されてしまい、教育改善の自助努力がなされないというものです。

このような批判に対してできることは、大学の世界に競争を持ち込むことでしょう。教育が私的財であればこの競争原理の導入は問題ありませんが、公共財の側面を持つので完全競争に任せることは難しいです。

例えば、技術情報産業だ、という流れでみんなが工学と経営学を学んだら、文学や歴史などは人気がなくなり淘汰されてしまいます。知識社会は多様な分野の学問が存在して、それらの相互作用によってあらたな知識を生みます。競争で淘汰された学問は次世代に必要ではないとはいえません。学問が公共財といわれる所以でもあります。

じゃあ競争原理をそのまま導入できない教育分野に、どのような自浄能作用を働かせるのでしょうか。

教育行政が取り組んだのは、(政権が期待する方向の)改革をする大学にコンペ方式で提案してもらい、いい教育改革をしている大学に補助金を与えるというものです(例はスーパーグローバル大学創成)。補助金というエサで改革のインセンティブをもたせようとします。コンペなので、より良い改革を提案する、あるいは改革が進んでいる大学が競争で生き残れます。現状の大学自治や学問の自由を保護しつつ競争原理を導入した折衷策といえるかもしれません。

これにも批判があります。教育行政、すなわち政権の価値観や指向性に縛られるというものです。今であれば全ての大学にグローバル化を求めているという単一性が批判の対象です。文学や歴史を英語で教える意味があるのか、という意見が出るし、これはもっともな意見でしょう。また私大は建学の理念に沿って人材を育てるのではないか、行政がが喜ぶ人材を育てるわけではないのではないかという意見もあります。学問教育の改善は単一ではなく、やはり多様性が確保されるべきだいえると思います。

学問は公共財的側面を持ちます。大学入学で学びにはお金を払った人のみが講義を受ける権利が得られるという意味で排除性がありますが、教えらた知識は誰にでも広がり、知識は減ることはないので非競合的でしょう。まさに公共財の側面を盛っています。

私大にどこまで補助金を出すのか、どのように出すのか、解決しにくい問題です。
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2014年10月16日

『地域学研究』に・・・

『地域学研究』に論文が掲載されました。

岡本信広・岡寺智大(2014)「中国の地域間仮想水交易と水資源配分の環境公平性評価」『地域学研究』第44巻第1号,pp.111-122

要旨
 本稿では,地域間交易によって水負担が公平になっているのかという観点から産業連関分析を行った。地域間の仮想水(Virtual Water)交易を計算した結果,偏在する水資源の負担を北部中国や東部中国において減少させていることがわかった。しかし内モンゴル,四川,広東では反対に水資源に負担をかけているので,空間的な農業分布を考慮するなどの必要性がある。
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2014年10月14日

『年収は「住むところ」で決まる』

都市経済学の入門としても,最新の成果を知りたい方にもいい本が出ました。



本書の主張は

イノベーション産業が地域経済を牽引し,その地域の賃金水準を上昇させる

というものです。副題にもあるように,労働経済学の空間バージョンとも言え(オリジナルタイトルが"The New Geography of Jobs"),雇用と賃金水準の違いが空間によってばらつきがあること,そしてそれがなぜかというのを明らかにする試みです。

ネタバレになるかもしれませんが,大枠を紹介しておきます。

筆者のモレッティは,アメリカを分析対象とし,海外生産の拡大や国内生産性の上昇によってアメリカ製造業の雇用は減少していることを示します。アメリカ国内の労働市場では高技能の労働者や肉体労働者の雇用は拡大するものの中技能の労働者はATMの進展など機械にとって変わられてきており,中技能労働者の雇用が減る空洞化が進んでいるとします。

経済はイノベーション産業など貿易部門の生産性向上が牽引しており,しかしそれによって非貿易部門の地域産業(ウェイター,配管工,インストラクターなど)の雇用を増やすといいます。具体的にはハイテク部門の雇用が1人増加すると地産地消型産業の雇用を5人増加させるそうです。

イノベーション産業が発展している地域ではそうでない地域よりも賃金水準が高いことを示しつつ,その理由を,@高技能労働者と肉体労働などは相互補完にあること,Aテクノロジー導入が促進され生産性が向上すること,B人的資本の外部性,人の生産性向上は他の人の生産性を向上させることを指摘しています。

じゃあどの地域がイノベーション産業を発展させることができるのでしょうか。IT企業を誘致して,大学が存在し,魅力ある街がイノベーションハブになり得るとします。もちろんことはそんなに簡単ではありませんが,ニューヨークのエンパワーメントプログラムの成功例を紹介しています。

最後に移民についても彼はいいます。高学歴の移民を受け入れることは特許や起業を増加させる地域になり,その地域の低学歴アメリカ人の生活も改善するであろう,と。

一方で,対象をアメリカ内の都市に限定せずに,世界の中の国としてみても同じことではないかと思いました。

例えば,日本の年収は単純労働であっても,途上国より高いですし,日本の製造業が海外に進出して空洞化しているといいながらも,サービス産業の雇用は増加しています(たしか戸堂(2011)はそのような実証研究を紹介していたはず)。

ですから,タイトルは当たり前といったら当たり前みたいなところがありますが,それでも空間経済学が都市でも国でも当てはまることを示しているという意味で,本書は他の地域を研究している人にも有益でしょう。

<参考文献>
戸堂康之(2011)『日本経済の底力 - 臥龍が目覚めるとき (中公新書)』中公新書
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2014年10月09日

柏の葉スマートシティ

日本地域学会全国大会(麗澤大学)のエクスカーションの一環として「柏の葉スマートシティ」の見学にいってきました。

柏の葉スマートシティは三井不動産,柏市(千葉県),東京大学が一緒になって公民学一体型都市開発が行なわれているところです。場所は千葉県柏市で,秋葉原からつくばエクスプレスで約30分,東京中心部から25km圏のところにあります。

見学したのは,ウリのスマートシステムです。電力を街一帯で制御し,CO2や電力使用の削減に貢献しています。普段の電力は東京電力から供給され,夜の電力を蓄電し必要なところに必要な量が供給されます。そして太陽光発電,ガス発電を行なっており,その電力を供給することができます。その結果防災にも強い街になっています。東京電力からの供給がストップしたとしても,3日間は60%程度の電気供給が可能になっています。

KOIL(柏の葉オープンイノベーション・ラボ)というのも街の特徴です。作業所(3Dプリンターやレーザープリンターなど)があって安い価格で試作品を作ることが可能ですし,創業支援のためのオープンスペースが備えられており,自由にパソコンを持ち込み,人とディスカッションし,何か新しいものを生み出す空間作りがなされています。

その他健康長寿の街作りとして,まちの健康研究所「あ・し・た」が設けられ,住民が無料で健康相談ができます。

現在人口は7000万人ほど。将来は2万人を目指したいといいますが,どうなるか,将来が楽しみな街です。
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『東亜』COMPASSでの連載。第4回目

霞山会の月刊誌『東亜』1月号から,3ヶ月に1回のペースで時評を担当しています。 第4回は 「戸籍制度改革」 です。 リードより。

中国国務院は七月三〇日に《戸籍改革をさらに一歩すすめることに関する意見》を発表した。これまで都市・農村に分かれていた二元的戸籍制度を廃止し,統一された居住証制度に変換するというのが大きな政策の目玉だ。しかし居住証制度は新たな差別化された制度にしかすぎないこと,農民にとってメリットになるかどうかは疑問である。
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2014年10月07日

2014年9月の読書ノート

2014年9月の読書ノート

今月の本は自閉症の東田くんをNHKの番組でみて読んだこの本。



この本の存在は昔から知っていたのですが,重度自閉症の中学生が文章を書くなんて,,,と若干懐疑的に見ていました。でもNHKの番組(こちら)を見て,納得。自閉症の人が何を感じ,どう困っているのかがわかる本でした。

自分でもうまくできないことを理解しており,それをできないといわれると辛いと思う感情はまったく定型発達の人と同じなんだなと改めて気がつきました。自分がうまく表現できないだけで,感じていること,この社会で適応しようとしていることはまったく同じです。

これから大学教育の現場でも発達障害(あるいは自閉症スペクトラム)を抱えた人たちが入学してくる時代になります。社会適応の程度の差はあれ,本書はその参考になりました。


<経済>

木暮太一(2014)『超入門 資本論』ダイヤモンド社 価値と使用価値、剰余価値の違いが資本論の肝。私たち労働者は使用価値で生きている。自分の経費を抑え、フリーランス・マインドで仕事をして、自分のウリを持つ。

木暮太一(2014)『社会人のためのやりなおし経済学』日経ビジネス人文庫 市場の失敗とは社会全体からみて本来の適正量でなくなること。これは外部性と市場支配力から発生。政府が原因を解明して介入すべき。しかし家賃規制や最低賃金制度は貧しい人にいいとは限らない。

エンリコ・モレッティ(池村千秋)(2014)『年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学』プレジデント社 製造業は衰退しているがイノベーション産業が発展し、新しい雇用を生み出す。一部の都市にハイテク産業が集積し高卒者であっても給与が高い。成長産業が集まる都市とそうでない都市が拡大。

<中国>

六六(青樹明子)(2012)『上海、かたつむりの家』プレジデント社 海萍一家は10平米の家で夫と子どもと暮らしていた。新しい不動産を得ようと人から6万元借りるところから,妹海藻は官僚宋思明の愛人になり,夫蘇淳は訴えられ,家族の災いは家を買う借金から始まる。

<自己啓発>

バーバラ・フレドリクソン(植木理恵高橋由紀子)(2010)『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』日本実業出版社 ポジティブ感情は考えや行動を広げ、リソースを形成して人を成長させる。ネガティブ感情は危険を回避する。ポジティビティ比が3:1を超えると繁栄に向かう。

<社会>

大槻久(2014)『協力と罰の生物学 』岩波書店 生物の世界にある協力。しかし協力はフリーライダーを生む。協力が起きるのは血液淘汰と互恵性。協力には罰が有効だが人間は報酬も効く。

<その他>

諏訪茂樹(2000)『人と組織を育てるコミュニケーション・トレーニング』日経連出版部 コミュニケーションは個人、組織・集団の機能的、情緒的側面に影響を与える。トレーニングによって自己理解、相互理解が深まり参加者、参加者集団も成長。コミュニケーション・トレーニング事例集。

児島将康(2010)『科研費獲得の方法とコツ』羊土社 応募分野、審査委員を下調べしておく。申請書の課題名は一般的な言葉を用い、目的、背景、項目にわけて読みやすく、初年度と次年度以降の計画を分け計画通りに行かない時の対応も。

東浩紀・笠井潔(2003)『動物化する世界の中で』集英社新書 ポストモダニズムはマルクス主義を十分に清算していない不徹底な思想(笠井)だが、現在はマルクスもポストモダニストも忘却されている「動物的」な世界にいる。オタクの中にも優れた表現者がいる(東)。

東浩紀(2007)『ゲーム的リアリズムの誕生-動物化するポストモダン2』講談社現代新書 ポストモダンなデータベース消費の世界で物語は人工環境の文学として生き残り、思想をマンガから輸入するオタクたちのキャラクター小説に最も先鋭的に現れた。

東田直樹(2007)『自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心』エスコアール出版部 見たこと思い出したことが刺激になり反射的に口にしてしまうので声が調整できない、同じことを繰り返し聞くことは聞いたことを忘れないためあるいは言葉遊びのため。僕たちもできるようになりたいと思っている。

東田直樹(2010)『続・自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない高校生がたどる心の軌跡』エスコアール出版部 こだわりフレーズや言葉は楽しむため,こだわりやじっとできないのは自分でもつらいがどうしようもないもの,何度も同じことをやってしまうのは,同じ結果が得られることが楽しいため。

shizu(平岩幹男監修)(2013)『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ (健康ライブラリー)』講談社 ABA(応用行動分析)を利用して声かけをすると子どもの社会性と言語能力がアップする。課題を細かく分けてできたらほめ,自己肯定感をアップ。定着させたい行動を褒めることによって強化。

エレナ・ポーター(村岡花子)(1962)『少女パレアナ』角川文庫 牧師の父が亡くなりバレー叔母さんに預けられた11歳のパレアナ。屋根裏部屋に住まされ厳しいバレー叔母さんにもかかわらず、父から教えられた「喜びを見つける」ゲームに興ずる。そのゲームは町の人にも影響を与えていく。
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