2015年05月19日

2015年4月の読書ノート

2015年4月読書ノート



松尾さんとはちょっと考え方が違うと思っていましたが、これはかなり同意できた本です。彼自身も思考の変遷があって、今回は左派的な考え(ケインズ)と右派的な考え(ハイエク)の中から、なんとなく共通点を見出したという感じです。政府の役割は基本的にルール型であるべきだというところに落ち着いています。


<経済>

トマ・ピケティ(山形浩生守岡桜森本正史)(2014)『21世紀の資本』みすず書房 民間資本収益率が所得と産出の成長率を長期的に大幅に上回り得るという事実は、格差を縮小する力よりも拡大の力がある。正しい解決策は資本に対する累進課税である。

松尾匡(2014)『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 (PHP新書)』PHP新書 ソ連の崩壊、反ケインズの流れから1970年代社会は小さな政府への転換が起こっていた。しかしこれは自由主義的転換ではなく裁量的な政府から基準的な政府への転換であった。

水野和夫(2014)『資本主義の終焉と歴史の危機』集英社新書 利潤を求めて資本主義は地理的空間的拡大を遂げ、電子金融空間にまで進出した。金利の低下、成長、物価の低下により利潤を上げられなくなり、資本主義は終わりを迎えつつある。

<中国>

安田峰俊(2014)『知中論-理不尽な国の7つの論理』星海社 「蔑視や憧憬を一方的に押し付ける形での「中国の関心の持ち方」自体が、ヒステリックな対中姿勢を誘発しかねない危険性を持っている」216

小林史憲(2014)『騒乱、混乱、波乱! ありえない中国 (集英社新書)』集英社新書 四川大地震で子どもを失った親に補償金で反乱の芽を摘む、西部大開発以降押し寄せる漢族とウイグル人との摩擦、投資話で損をしても共産党への解決を期待するオルドスの農民、ウカン村の成功から外国メディアを利用する村,など。

高原明生・丸川知雄・伊藤亜星編(2014)『東大塾 社会人のための現代中国講義』東大出版会 国家体制(高原)、少数民族(平野)、ナショナリズム(村田)、外交(川島)、安全保障(松田)、資本主義(丸川)、二つの罠(関)、中国法(高見澤)、社会の変化(園田)、公民社会(阿古)など。

丹羽宇一郎(2014)『中国の大問題』PHP新書 世界は日本ほど中国を敵視していない。領土問題は「フリーズ」し、4つの共同声明の精神を確認し、経済交流、青少年、地方間の交流を復活すべきである。交流ない中では国民感情が固定化してしまう。

丸川知雄・梶谷懐(2015)『超大国・中国のゆくえ4 経済大国化の軋みとインパクト』東大出版会 過剰資本蓄積、金融抑制、地方政府の土地財政(梶谷)、中国がもたらす途上国のモノカルチャー化、キャッチダウン型技術発展(丸川)。課題は多いもののトーンとしては中国経済は力強い、と。

<自己啓発>

村上憲郎(2012)『一生食べられる生き方』PHP新書 進化できる企業とできない企業の違いはモンキートラップを逃れらるかどうか。自分のスキルを一般化して他社でも役立つ形に自分の経験やノウハウを組み替える。自分のスキルを会社依存型から独立自立型に。

白取春彦(2014)『思考のチカラをつくる本: 判断力・先見力・知的生産力の高め方から、思考の整理、アイデアのつくり方まで (単行本)』三笠書房 新しい考えを生めるかどうかは、自分の生活、自分の言葉の量と質に依存。新しい自分は新しい考えを生む。考えは何も生まないし、書き留めないと意味がない。「言葉だけで何事もなしうる可能性がある」

グレッグ・マキューン(高橋璃子)(2014)『エッセンシャル思考』かんき出版 より少なくより良くを追求するのがエッセンシャル思考。規律なく仕事を拡大すると失敗する。仕事を見極めやらない仕事にノーと言う。実現しやすくするために仕組み化する。

宇津出雅巳(2011)『どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫)』大和書房 自分の知っていることストック,読書慣れが速読技術より重要。ストックを補うために本を繰り返してストックとし,それを使って速読する。高速大量回転法。

<社会>

矢作弘(2014)『縮小都市の挑戦』岩波新書 都市は郊外化、主要産業の移転に伴う移住(人口減少)、脱製造業を要因として縮小。日本は出生率低下と求職や郊外化による都市間移動で縮小。コンパクトシティ論は理念であり空間計画、縮小都市論は現実論かつ学際的アプローチ。

三浦展・清水千弘研究室(2014)『日本の地価が3分の1になる!』光文社新書 現役世代の負担率が高い地域は地価の下落は激しい(そういうモデル)。足りない生産人口を外国人が埋めている現状も。74歳まで働けば地価は上がる。


posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする