2015年07月07日

『転換を模索する中国』出版シンポジウム

7月1日に東京国際ブックフェアにて,私が監訳した本のシンポジウムが開催されました。

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来賓として原著の主編である高尚全先生と日本からは推薦人になっていただいた中兼和津次先生(東大名誉教授)からお話をいただきました。

高尚全先生は元国家発展改革委員会の副主任(副大臣)で,改革を主張する大御所です。

基調講演では,「改革の全面的深化」と改革の方向についてお話をされました。勉強になった点を3点ほど。

1)改革の全面的深化は三中全会の前に党中央に建議したものである。これによってこの言葉と習近平を中心とする現在の改革の全面的深化の領導小組が組織された。改革の突破口は公務員や幹部の財産公開である。

2)改革の特徴は全面的でありながらも,改革の的は反腐敗による公務員の任免制度の確立である。各地方のリーダーが改革に責任を持ち,現状をみて的確な身を切る改革が必要。

3)改革に終わりはない。2020年までに全面的小康状態を目指し,農村の貧困をなくす方針であるが,困難が伴う。改革の肝は農民の資産(宅地や請負権)の流通により,農民資産のマネタライズが必要であること,農村都市間で双方向の生産要素の流動が必要である。

中兼先生は中国の改革を,発展,体制移行,現代化の三つのキーワードで説明されました。

1)経済発展においては低所得国から高所得国への移行には産業構造高度化が必要であること。

2)計画経済から市場経済への移行においては政府の関与を少なくすること,とくに国有と民営では国有企業の民営化は必須であること。

3)現代化では,人治から法治への転換が必ず必要となること。

私自身も,中国の改革は「政府の退出」であるという点,レントシーキングをなくすにはさらなる市場経済化が必要であることを述べさせていただきました。

出版お披露目という意味もあって,あまり深い議論はできませんでしたが,本書の監訳に携わることによって中国の改革がより深く理解できたと思います。

posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育研究活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする