2016年09月06日

Chinese Economic Association Annual Conference 2016(1)

9月1日から3日にドイツ・デュイスブルグで開催された中国経済学会(ヨーロッパ/UK)に参加、報告してきました。

目玉のキーノートスピーチを備忘録としてまとめておきたいと思います。

Justin Yifu Lin(林毅夫), Demystifiying the Chinese Economy
中国経済の今後も当分は経済発展が続けられる。その根拠はマディソンによる長期推計によれば2008年時点で中国の1人当たりGDPは米国の21%であり、後発性の利益を活かす余地がまだ十分ある。これは1951年の日本、1967年のシンガポール、73年の台湾、77年の韓国と同レベルであり、これらの国々が高度経済成長を続けたことを考えればまだ生産性向上の余地があるだろう。また需要面でみても近年輸出が落ち込み、投資が過多になり、消費が伸びていないが、投資の側面でいえば、資本集約産業ではなく技術集約型産業への投資、内陸部のインフラ建設需要、グリーンエネルギー等収益性のある投資空間はまだまだ多い。

Fabrizio Zilibotti, The Economic Growth of China: Past, Present and Future
投資型経済からイノベーション型経済への転換が必要である。統計的分析によれば、新規産業の参入障壁が低く、腐敗が少なくて、R&D投資の多い国々は投資型経済からイノベーション型経済への転換を図り、中進国の罠を抜け出てきた。
中国が短期的な経済成長目標にこだわればこの転換が遅れる。

Guido Tabellini, The Clan and the Corporation: Sustining Cooperation in China and Europe
経済史の観点から、中国がなぜ遅れたかを社会組織(Social Organization)から説明しようと試みる。は中国はClan型であり、ヨーロッパはCorporation型であることが指摘される。Clan型とは血族を大事にし、関係が基本で、Clanへのモラル忠誠が中心で、Corporation型は利害(interest)中心にコミュニティーが形成され、一般化された規範に沿う。どちらが優れているというのはないが、経済発展という点では、法の下の平等、社会的セーフティーネットの整備、個人企業への融資などの観点から経済発展に有利だったといえる。

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posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育研究活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする