2017年08月08日

アジア経済研究所の夏期公開講座

更新が遅れたけど、7月24日に行われたジェトロ・アジア経済研究所の夏期公開講座に参加してきた。

今年のタイトルは「中国経済『新常態』の行方」だった。

講師陣とそのタイトル及び概要を備忘録として。

大西康雄「二期目の習政権と経済の『新常態』」

これまでの習政権の成果としては、一定の成長速度を維持し、構造改革を優先させ、行財政改革に取り組んだこと、新型都市化、貧困撲滅、一人っ子政策の緩和を打ち出したこと、対外経済としては、自由貿易試験区、人民元のSDR化、一帯一路、AIIBの設立などがある。

2015年12月の中央経済工作会議から言われるようになったサプライサイド改革はまだ目に見える成果はない。ただし民間の起業意欲と就業は順調。

見通しとしては、過剰生産能力の解消にはまだ時間がかかる、企業、政府財政は持ちこたえられそうであり、民間企業の起業意欲とイノベーションは持続する見込みである。


大橋英夫「対外経済政策の新展開」

これまでは外貨獲得・技術取得、輸出・直接投資を柱にした蛙飛び型の対外開放1.0であったが、近年産業調整、対外投資を中心として雁行形態的な対外開放2.0に移行している。

2013年に上海に自由貿易試験区が設置され、2017年には第三陣の自貿区が発足した。役割は外商投資に対するネガティブリスト、参入前の内国民待遇である。

2013年より「一帯一路」が提唱され、国境を越えた産業移転(国際産能合作)が進みつつある。


丁可「中国におけるイノベーションシステムの展開方向」

中国の起業意欲は高く、衆創空間(インキュベーター、アクセラレーター、メーカースペースなど各種起業支援組織)が爆発的に増加し、ユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上で非上場のベンチャー企業)もアメリカに追いつく勢い。

中国イノベーションの特徴は、@プラットフォーム企業とプラットフォームユーザーによってエコシステムが形成されている(人口が多いためネットワーク効果も大きい)、A十分な資金力(投資ファンドからタクシーアプリ普及のための補助金合戦)、B後発の利益(弱い抵抗勢力、不十分な法整備)、C産業連関効果、である。

問題点は、@インターネットの基づいたビジネスモデルのイノベーション、Aコア技術の先進国依存、などが指摘される。

posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 教育研究活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする