2013年04月04日

『21世紀の中国 経済篇』

著者のお一人である渡邉さんからご恵投いただきました。



本書は、

中国経済を、競争、混合経済、中央地方関係、官の利益集団化という特徴を持つ国家資本主義経済であると規定し、国進民退は進んでいるのか、それをどう評価するのか、対国際社会への影響、この発展モデルの普遍性に検討を加える

というものです。

その結果、

国進民退は数字的には出てこないが、財政、産業、地域の各政策によって国有企業の存在は強まっている

国有企業は公的権力や資本アクセスに有利で、私的利益を追求する存在であり

民間に対して不平等な競争環境であるとともに、ルールが恣意的に運用されている

ことが指摘されます。

また、

グローバル500企業の中に電力、石油、銀行、通信などの中央国有企業がランクインされているが、インフラ系であるため私たちには馴染みがありませんが

石油企業をみると、国家利益を追求しながらも商業利益を求める存在でもある

ことが言われます。

そしてこの中国の発展モデルは、

格差、環境破壊、腐敗というコストを生み出す、「開発独裁+漸進主義+大国」という本質をもつモデルであり,低賃金労働がなくなると成長が止まる「中所得国の罠」、権益が固定化する「体制移行の罠」に直面しているために,今後、経済重心が官から民へ移動する必要があろう

と結論づけています。

「国家資本主義」「国進民退」「国有企業の走出去(海外投資)」を考える上で非常に有益な本となっています。とくに渡邉さんが担当された国進民退については資料価値も高い情報が多く詰まっているので、非常に勉強になりました。

ありがとうございました。
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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