2013年04月09日

2013年3月読書ノート

2013年3月の読書ノートです。




西原さんのお金の話、最高でした。

ポイントは、生きていくならお金を稼ぎましょう、ということです。これだけ取り上げると誤解を生みますが、以下の言葉が心に残ったので紹介。

「くる仕事は断らなかった。場数を踏んでいるうちに慣れてくるし、自分の得意不得意なものがわかってくる。」

「今がツライとサイアクと思うが、最初から嬉しいことばかりだってすぐに退屈になる。嬉しいことの中に不満ばかり探すようになる。どこに行き着くかというと、これじゃなきゃダメだ、っていう考え。」

「やりたいことがわからない、その問いに向き合うためにはカネという視点を持つのが、いちばん、シンプルに見えてくるものがあるんじゃないか。」

自分がこの世の中で何をするのか、わからない時はカネという観点を持ちましょう、やっていきながらもらえるお金と自分の我慢出来るものできないものとのバランスがわかり、やりたいことがわかってくるという話です。人は生きているとだんだん「これじゃなきゃダメ」と凝り固まった偏見になってきますが、オープンマインドで、いろんな仕事を受けながら自分のやりたいことを探していくだろうな、と考えさせられました。

薄い本ですし、読んで絶対損はしない本です。


<中国>

馬立誠(杉山祐之)(2011)『反日-中国は民族主義を越えられるか』中公文庫 中国は憲法で民族主義を否定的にとらえているにもかかわらず、民族主義が台頭している。民族主義は自大であり排外に繋がり、少数民族に影響を与える。中国は大国としての風格をもち、日本に対して寛容に。

金熙徳・林治(2003)『日中「新思考」とは何か』隣人新書日本僑報社 大国の品位を説く馬論文、中日接近を説く時論文。しかし中国の日本研究者は、中国側に問題があるという捉え方は事実に背く、政策提言は非現実的、である。「新思考」とは双方共通の前向き姿勢ではじめて意味を持つ。

上村幸治(1999)『中国路地裏物語』岩波新書 国有企業改革で仕事を失う人、居民委員会の様子、単位から離れることによってフリーになった作家、四合院の土地買い上げとマンションブーム、など急激に市場経済化が進んだ90年代の変化を普通の人々へのインタビューから。

柴田聡・長谷川貴弘(2012)『中国共産党の経済政策 (講談社現代新書)』講談社現代新書 国家が経済運営にコミットする中国独自の政経一体システム。共産党の人事と経済政策の明るさ、発展改革委の権限、4兆元の経済政策、日本と結んだ人民元の国際協力の中身など。日中関係は多方面で進む、と。

<自己啓発>

樋口健夫(2003)『図解 仕事ができる人のノート術 - ノートを使って深く考え、発想する122の方法!!』東洋経済新報社 日付をつけて時間順に発想、メモ、日記などの記録、家計簿、スケッチ、計画など、何でも記入する。空白があればあとで追記入する。発想を書き残し、仕事や生活の情報ノートになり、自分の人生が豊かになる。

西原理恵子(2008)『この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)』理論社 トップになることが目標じゃない、東京で絵を描いていくことが目標なんだ。ならば自分の得意なものと自分の限界点を知ること。やりたいこと、やれることの着地点を探すこと。貧困はループし暴力を生む。

トニー・ブザン、バリー・ブザン(近田美季子)(2013)『新版 ザ・マインドマップ(R)』ダイヤモンド社 脳と思考の仕組み、マインドマップの基本、使い方として創造的思考、意思決定、自己分析、スケジュール、学習とノートの取り方、会議、プレゼンなど応用編。iMindMapの使い方と将来性。

雲黒斎(2010)『あの世に聞いた、この世の仕組み』サンマーク出版 状況と幸せには関係がない。幸せは新たに手に入れるものではなく、すでに手にしているもの、自分自身である。幸せを認めようとすると、幸せではない理由を探し始め、不幸を継続させる。そして「思考が現実化」してしまう。

築山節(2006)『脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)』生活人新書 生活リズムを守り、朝の運動や声だしは脳の起動によい、時間の制約で作業を行うことで脳が活発化。睡眠は情報が整理される、雑用や一日の計画、机の整理は解決力、整理力がアップ。定期的な脳の検査も必要。

築山節(2008)『脳と気持ちの整理術』生活人新書 意欲を出すには、出来ると好きになる性質を利用し、五歩先に解決のある問題の1歩目を見つけ、短時間の集中×多数で脳に興奮を。前日に明日の予定を、何をするか脳に入れておく。気になることを書き出し、重要でないもの、人に任すものに分ける。

竹中平蔵(2011)『竹中式マトリクス勉強法』幻冬舎文庫 勉強には到達目標のある「天井のある」勉強とない勉強がある。また武器として身につけるものと人と人を結ぶ人間力をつける勉強がある。直前の目標と将来の夢を、逆算して計画を、基本を大切に、メモを常にとる、時間はつくる、など。

<社会>

伊藤亜紀(2010)『電子マネー革命-キャッシュレス社会の現実と希望』講談社現代新書 電子マネーとポイントは通貨との兌換可能性で保証された民間発行通貨。資金決済法により民間発行主体も供託金を国に出し、利用者を保護。送金コストが減少し、電子マネー口座や世界共通通貨の可能性も。

玉野和志(2008)『創価学会の研究 (講談社現代新書)』講談社現代新書 牧口の利を前面に押し出した価値観は現世利益を求める庶民の生活向上欲を刺激、貧困層から中流階級への階層上昇をもたらした。上昇した階層は自民党支持者層と重なり合い、自公連立を可能に。上昇した階層とそうでない階層との関係構築が課題。

工藤啓(2012)『大卒だって無職になる-"はたらく"につまづく若者たち』エンターブレイン 引きこもった有名国立大卒のH君、就活がうまくいかなかったRさん、働きたくても働けない若者に、まずやって見る、できたという体験を積み上げるプログラムを提供。NPO法人育て上げネットの事例。

苫野一徳(2011)『どのような教育が「よい」教育か (講談社選書メチエ)』講談社 「私は教育の本質を各人の自由および社会における自由の相互承認の教養=力能を通した実質化」と確信する。ヘーゲル社会原理論から教育原理論への援用を試みる。

宇沢弘文(1992)『「成田」とは何か-戦後日本の悲劇』岩波新書 成田闘争の問題点は、66年の閣議決定。国家権力は国民の本来の基本的権利を享受し、尊厳されるべきであるにも関わらず、新東京国際空港を三里塚に建設するという閣議決定がなされるに際してこのような配慮が少しもなかった。

山下祐介(2012)『限界集落の真実: 過疎の村は消えるか? (ちくま新書)』ちくま新書 高齢化が進む限界集落問題は現実に発生しているというよりも、昭和の変動期に家族の広域拡大化によって生じてきている問題。問題は戦前世代が退出していく2010年代にある。身近な市街地には帰還可能な集落出身者もいる。

砂原庸介(2012)『大阪―大都市は国家を超えるか (中公新書)』中公新書 橋下徹という政治的企業家の大阪都構想は、大阪が抱える中心部からの人口流出、権限と財源の分散という問題を解決する以前からのアイデアと同じ。大都市の領域を拡大し、権限と財源を集中し中心部に投資するというもの。

新雅史(2012)『商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道 (光文社新書)』光文社新書 戦後の貧困層の小売参入を支え、近い商圏で横の百貨店となった商店街。バブル崩壊により地方は郊外化し、ショッピングモールが増加。日本の商店街はコンビニに転換していった。商店街の復活には給付でない規制が必要。

大沼保昭(2007)『「慰安婦」問題とは何だったのか―メディア・NGO・政府の功罪 (中公新書)』中公新書 日本政府の法的責任が問えない中で道義的責任を果たそうとしたアジア女性基金。国家補償を求める左派、慰安婦強制はないとする右派のどちらからも失敗とみなされるが、それでも元慰安婦の方々の尊厳は守れたのではないか。

浅羽祐樹・木村幹・佐藤大介(2012)『徹底検証 韓国論の通説・俗説』中公新書ラクレ 法と倫理が不可分の韓国(佐藤)。日本が韓国にとって相対的に重要でなくなり領土・歴史問題が重要に(木村)。自由と民主主義を共有できるのは韓国だが、情緒への対応をどうする(浅羽)。

山田吉彦(2005)『日本の国境』新潮新書 国連海洋法条約により海上権益は重要に。サンフランシスコ条約に北方領土、尖閣諸島、竹島の放棄は書かれていない。日本の国境論争には江戸期の林子平の著書に影響されている。小笠原諸島は有利だが尖閣には不利な記述がある。

田久保忠衛(2007)『早わかり・日本の領土問題-諸外国と何をモメているのか?』PHP研究所 領土問題は戦後処理の不手際(北方領土、竹島)、先占の実効性に関わるもの(尖閣、竹島)かある。国境意識をもち国のかたちを普通の民主主義に是正していくことが領土問題を解決する。

山本皓一(2007)『日本人が行けない「日本領土」』小学館 日本人の墓が風化しつつある北方領土、アシカ、アワビ漁が行われていた竹島、中国人漂流者を保護した魚釣島民、島か岩か議論になる沖ノ鳥島。日本国民の訪問と情報公開が必要。

孫崎亨(2011)『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 (ちくま新書 905)』ちくま新書 外交・国際関係からの領土問題。北方領土はサンフランシスコ条約の千島列島に含まれていた、竹島は棚上げしていた、尖閣は台湾と沖縄の帰属問題。現状米国はこの問題に安保を発動することはない=日本の領土として見ていない。

<その他>

ヤン・マーテル(唐沢則幸)(2004)『パイの物語』竹書房 小さい頃から神に興味をもったインド人パイ。イスラム、キリスト、ヒンディーと様々な宗教に。動物園経営をしている父親の決断で動物たちとカナダへ。途中貨物船が沈没し、パイはトラと220日漂流する。漂流中のパイの心理が見どころ。

高野和明(2011)『ジェノサイド』角川書店 難病の子を抱える傭兵イエーガーは特殊任務を背負ってコンゴに。人類学者と進化した人類の救出へ。進化した人類に怯えるアメリカ合衆国政府、新薬と新たな人類と関わりをもった研人の父。世界を舞台に人の残虐性をあぶり出す。

三浦しをん(2011)『舟を編む』光文社 新しい辞書を編纂することにした玄武書房、荒木。荒木のあとを引き継いだ真締(まじめ)は13年間辞書編纂に取組む。非常識な大学教授、真締の結婚、校正での間違い発見など、辞書編纂ドラマ。

大村大次郎(2011)『あらゆる領収書は経費で落とせる (中公新書ラクレ)』中公新書ラクレ 領収書が認められるルートは事業に関連すること、福利厚生費。会議費、接待交際費は事業に関連することであり1人あたり5千円まで、研修、研鑽は事業に、慰安旅行は福利厚生費。領収書を忘れた場合は記録を残す、など。

奥田健次(2012)『メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)』集英社新書 奇声をあげるアキラくんへの行動の処方箋は奇声をあげると母親から離す、静かに遊ぶと母親から抱きしめられること。阻止の随伴性に注目し、強迫障害、不登校にも行動分析が有効。トークンエコノミー、FTスケジュールなど。

平岩幹男(2012)『自閉症スペクトラム障害――療育と対応を考える (岩波新書)』岩波新書 ASD(自閉症スペクトラム障害)は社会性、コミュニケーション、想像力の障害。学業、社会、身体的スキルを身につける。療育基本は、指示→実行→ほめる、こと。就園、就学、思春期、就業に関する一般的注意事項等。
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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