2013年06月06日

比較経済体制学会第53回全国大会

6月1日,2日と新潟大学で比較経済体制学会第53回全国大会が開催されました。私は2日目の共通論題3「空間的接近」にて,

「中国とアジアの経済統合:国際産業連関モデルからのアプローチ」

と題して報告しました。空間経済学で言われる「自国市場効果」を産業連関分析でいうフィードバック効果からアプローチし,中国一国だけが他国よりもフィードバック効果とスピルオーバー効果を享受していることを示しました。

討論者の植村先生(横浜国立大学)より,@フィードバック効果を相手国別に計測できるとよい(例えば中国−ASEANとか),A付加価値形成から考えると中国の付加価値(とくに労賃が安いため中国に残る部分は低い)をも考慮する必要がある,B報道などによると中国の多国籍企業が生産の30%,輸出の55%を占めるため,企業分析で補う必要がある,という的確なコメントをいただきました。

今後本発表を改善する上で参考にしていきたいと思います。

また学会で聞いた発表のうち以下のものが有益だったので備忘録として。

穆尭芋「中国の地域発展戦略の施行における地方政府の行動比較−広西チワン族自治区と吉林省を中心に」

2008年の広西北部湾経済区発展規画の公布をきっかけに地方政府が地域戦略を作成し,中央からオーソライズしてもらうというのが増加した。現在のところ北京,天津,湖北(ただし武漢はある),チベット以外で作られている。また省市をまたがって作成されたものもあり,広東省は3つの発展戦略に関与している。

このメリットは,中央からの財政支援を得やすい,大型プロジェクトの許可を得やすい,マスコミに注目されることにより投資増加の期待,そして前例のない取り組みに対して「先行先試」の権限が与えられる,というものである。

吉林省では北朝鮮を経由して上海に輸送する越境輸送が認められた。

ただし,地域によっては開発戦略の国家的意味があっても地方政府にとってメリットが少ないと実行に温度差がある。
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育研究活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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