2013年08月27日

『機械との競争』

『機械との競争』は,技術が発展し機械やパソコンが人の仕事を奪っている中で,人はどの分野で仕事をすることができるのか,を考えさせられる良書です。

近年の技術の発展によって雇用は増加していない,所得の中央値も増えていないという現実があります。この原因としてコンピュータ,つまりパソコンによって仕事が奪われているということが主張されています。

じゃあコンピュータができない仕事は何でしょうか,それは肉体労働と創造的な仕事です。配管工,看護師は肉体を使いますし,現場で創造的な対応が必要になるという意味で,人間がやるべき仕事です。このような仕事では,パターン認識能力や複雑な問題解決能力が必要ですし,看護師などの人を相手にする職業では,複雑なコミュニケーションを必要とします。

それでもコンピュータは進歩し続けています。自動車の運転は人間しかできないと思われていた仕事です。運転では道路や街などのパターンを認識する必要があります。これまでコンピュータはパターン認識はできないと思われていましたが,現在では運転も自動運転の技術が向上しています。

また翻訳のようなコミュニケーション能力についてもコンピュータ技術は進歩してきました。パソコンの翻訳能力はかなりの程度まで上昇してきました。

でもまだ医者,セラピスト,マネージャー,セールスマンのような仕事ではコンピュータ以上のコミュニケーション能力やパターン認識が必要です。周りから複雑な情報を収集し影響を行使しなければなりません。

私たちの社会では,コンピュータやインターネットは現代産業の汎用技術,汎用機械になっています。このような技術の進歩は社会のすべての人に自動的に恩恵を与えたわけではありません。現在,所得と雇用は格差が大きくなっています。コンピュータの汎用技術化によって,パソコンではできないある種のスキルを持った人に特に有利になるようになっています。スーパースターを生む一方,何もスキルない人は仕事がないということになります。

著者たちはコンピュータの発展によって仕事が奪われるということについて楽観的な結論を導きます。

所得の中央値が伸び悩んでいるのはイノベーションが停滞しているからではなく,人間のスキルや組織制度が技術の速い変化についていっていないのだ,人間のスキルアップをはかるための教育は重要だし,組織革新も必要だと主張しています。組織革新について例えば,イーベイやアマゾンのマーケットプレイス,アップルストアのアプリでは多くの人の仕事の参加を可能にし,雇用を生んでいると主張しています。

今後もパソコンやインターネット技術は向上していきます。このような中でどのような仕事をするべきか,考える材料として本書はオススメです。

posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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