2013年10月01日

『習近平政権の中国』

編者の大西さんよりご恵投いただきました。アジ研の情勢分析シリーズの1冊として刊行され,中国の最新の動向をわかりやすく紹介しています。

2012年に習近平が党書記になり,2013年の全人代で習近平国家主席・李克強首相コンビによる新政権がスタートしました。胡錦濤前政権時代を振り返りながら,新政権下の課題について分析,紹介しています。

簡単に内容紹介。

政治:新政権の人事を見てみると,経済通が少ない印象で,国土資源部の徐紹史が国家改革発展委員会主任に収まったところをみると,都市化,資源開発の国有企業に有利といえるかもしれません。大きな課題は既得権益層とのバランスだと指摘しています。

経済:マクロ的には4兆元の財政政策の出口戦略,とくに地方融資プラットフォームの不良債権の取り扱い,地域バランス,所得格差が大きな課題です。昨年12月の中央経済工作会議の結果をみてみると,都市化,民生(社会保障)に力点がおかれ,体制改革が一番最後になっていたと指摘しています。

外交:経済大国化,ナショナリズムなど5つの要因によって新政権の強硬路線を説明しています。新政権は平和を謳いながらも海洋権益の主張は強いです。

軍事:習近平は軍を積極的に把握しようとしていますが,これは軍の膨張と周辺諸国への脅威につながり,バランスが問題になってくると指摘されています。

国進民退:「国有経済の堅持」により民間企業との不平等競争が問題になっています。鉄道部の解体に見られるように公有非公有のバランスがとれるかどうかがカギであるようです。

社会保障:社会保障改革は都市部の社会保障制度に農民工や農民を取り込んだ増分改革的なもので,これにより体制的には皆保険制度となりました。ただ保険制度の実質化と格差の是正がこれからの問題だと指摘しています。

posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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