2013年11月26日

卒論の問題設定の仕方

この時期,卒論指導も大詰めです。うちの学部は12月中旬が提出締め切りのため,あと1ヶ月を切りました。

卒論指導で難しいのは「問題設定」です。問題をどのように設定するか,この良し悪しで卒論の出来が左右されると言っても過言ではありません。

愚痴にならないようにしたいのですが(笑),悩ましいのは学生から「何をテーマにしたらいいのかわかりません」「とくに興味がないので何をやろうか悩んでます」といった相談を受け,「う〜ん」と唸ってしまいます。

中国経済を中心にしている岡本ゼミでは,中国に関することでテーマ設定を勧めます。でも中国という国に対して知識が少ない学生にとって「問い」を立てることは簡単ではありません。ある程度の知識がないと,外国を対象とする分野の場合,問題意識を持ちにくいです。そのために外国に行く,あるいは読書で知識を広げる必要があります。

とはいえ,とくに中国に関わることもなく受け身でやってきた学生が4年になって主体的に卒論のテーマを立てることは難しいです。こんな時,私は以下のような問いを立てることを薦めています。

「◯◯とは何か?」→「△△である」

例えば,「中国の戸籍制度とは何か?」という問いを立てて,とりあえずの答え(仮説)として「農村戸籍と都市戸籍の二つがあるもの」という答えを学生自身で用意させます。実際にそうなのかどうか,戸籍制度の資料を収集させて考えさせます。

この作業を通じて,新たな疑問が起きれば,それをテーマに調べさせていきます。結局,「何?」というテーマについて自分なりの答えを用意して調査をする,そのプロセスの中で疑問を作成していこうということです。

でも,卒論は時間制約があります。「何?」という問題意識で調査した結果は,一般に論文というよりも調査レポートのようなものになってしまいます。中国の戸籍制度調べました!的なものは,読んだあと「だから何?So what?」ということになりがちです。

やはり問題設定の王道は「なぜ〜なのか?」だと思います。良い問いが立てられると,みな「知りたい」と思うので興味もわきますし,読み手からも期待されることとなります。良い論文とは「?」で始まり「!」で終わるものです(鹿島2003)。

普段から日常生活で「なぜ?」という問いを持つように学生に言ったりしますが,自分もできていないので(汗),この指導はあまり意味ありません。今のところ上記で述べたように,「何?」という疑問から調査していって考えるという方法がうちのゼミでのやり方です。


ちなみに,どのような問いをたてるのか,問題設定の仕方で参考になったのは,以下の本です。問題設定を考えるヒントがつまっていました。オススメです。

鹿島茂(2003)『勝つための論文の書き方』文春新書

posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 大学教育について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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