2014年02月27日

『しらずしらず』

私たちの普段の行動を決めるのは無意識だった。



私たちがいかに無意識の力によって行動を決めているかということがよくわかる一冊です。顕在意識とか潜在意識とかいうとどうしてもフロイトやユングの非科学っぽいイメージがわきますが,行動経済学でもあきらかになってきているように(以前のエントリ「行動経済学の基礎」),私たちは無意識や潜在意識によって行動が決められているようです。

この本ではさまざまな実験紹介を通して,

(1)人間が知覚する世界は自分の無意識が構築したもの
(2)社会的な無意識は共鳴する。
(2)前向きな錯覚の存在で人は生きていける

ということが学べます。

(1)無意識が現実をつくる

例えば,意識的にはコカコーラが美味しいと思っている人でも,ペプシとコカコーラで美味しい方を選ばされると多くの人がペプシを選んでしまうという結果になってしまうそうですし,10$のワインを高級ボトルに入れて90$で売るとおいしさは倍増するそうですし,ただのキュウリというよりも「しゃきしゃきキュウリ」とするだけで美味しく感じるそうです。またアメリカでは同姓での結婚割合が有意に高いようで,無意識に同姓の人に親しみを感じるようです。

このように私たちは無意識が構築したフレームワークで行動しているようです。

(2)無意識の社会的共鳴

社会的にも,コピーの割り込み実験では,急いでいる理由を付け足すとその理由が矛盾していても人はゆずってくれる確率があがるそうです。女の子をデートに誘うときに,(さりげなくですが)タッチするかしないかでも成功確率は違うそうです。学生がマウスに実験を行うときにマウスが優秀だと思っているチームは実際にマウスの成績はよくなるそうですし,学校でも教師が生徒への期待が高いと生徒の成績もあがるようです。

つまり私たちの無意識で思っていることは社会にも影響を与えています。

(3)人は本来楽観的

人の記憶はあいまいだそうです。実験によれば人は記憶を要点として記録しているだけで,細部になると無意識に記憶の間を埋めていくそうです。大学生に高校時代の成績を聞く実験をすると,Aの数を正確に答えられる人は多いのですが,Dになると多くの人が思い出せないそうです。それに加えて,高校3年生に実施した実験では自分を平均以上だと思っているのは100%,大学教員であっても94%はそう思っているようです。

したがって,人は自分の都合の悪いことを忘れて前向きに生きられるようです。

このように本書は無意識の働き,あるいは行動経済学でいう不合理性について理解が進む良書です。
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/389378690
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック