2014年10月07日

2014年9月の読書ノート

2014年9月の読書ノート

今月の本は自閉症の東田くんをNHKの番組でみて読んだこの本。



この本の存在は昔から知っていたのですが,重度自閉症の中学生が文章を書くなんて,,,と若干懐疑的に見ていました。でもNHKの番組(こちら)を見て,納得。自閉症の人が何を感じ,どう困っているのかがわかる本でした。

自分でもうまくできないことを理解しており,それをできないといわれると辛いと思う感情はまったく定型発達の人と同じなんだなと改めて気がつきました。自分がうまく表現できないだけで,感じていること,この社会で適応しようとしていることはまったく同じです。

これから大学教育の現場でも発達障害(あるいは自閉症スペクトラム)を抱えた人たちが入学してくる時代になります。社会適応の程度の差はあれ,本書はその参考になりました。


<経済>

木暮太一(2014)『超入門 資本論』ダイヤモンド社 価値と使用価値、剰余価値の違いが資本論の肝。私たち労働者は使用価値で生きている。自分の経費を抑え、フリーランス・マインドで仕事をして、自分のウリを持つ。

木暮太一(2014)『社会人のためのやりなおし経済学』日経ビジネス人文庫 市場の失敗とは社会全体からみて本来の適正量でなくなること。これは外部性と市場支配力から発生。政府が原因を解明して介入すべき。しかし家賃規制や最低賃金制度は貧しい人にいいとは限らない。

エンリコ・モレッティ(池村千秋)(2014)『年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学』プレジデント社 製造業は衰退しているがイノベーション産業が発展し、新しい雇用を生み出す。一部の都市にハイテク産業が集積し高卒者であっても給与が高い。成長産業が集まる都市とそうでない都市が拡大。

<中国>

六六(青樹明子)(2012)『上海、かたつむりの家』プレジデント社 海萍一家は10平米の家で夫と子どもと暮らしていた。新しい不動産を得ようと人から6万元借りるところから,妹海藻は官僚宋思明の愛人になり,夫蘇淳は訴えられ,家族の災いは家を買う借金から始まる。

<自己啓発>

バーバラ・フレドリクソン(植木理恵高橋由紀子)(2010)『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』日本実業出版社 ポジティブ感情は考えや行動を広げ、リソースを形成して人を成長させる。ネガティブ感情は危険を回避する。ポジティビティ比が3:1を超えると繁栄に向かう。

<社会>

大槻久(2014)『協力と罰の生物学 』岩波書店 生物の世界にある協力。しかし協力はフリーライダーを生む。協力が起きるのは血液淘汰と互恵性。協力には罰が有効だが人間は報酬も効く。

<その他>

諏訪茂樹(2000)『人と組織を育てるコミュニケーション・トレーニング』日経連出版部 コミュニケーションは個人、組織・集団の機能的、情緒的側面に影響を与える。トレーニングによって自己理解、相互理解が深まり参加者、参加者集団も成長。コミュニケーション・トレーニング事例集。

児島将康(2010)『科研費獲得の方法とコツ』羊土社 応募分野、審査委員を下調べしておく。申請書の課題名は一般的な言葉を用い、目的、背景、項目にわけて読みやすく、初年度と次年度以降の計画を分け計画通りに行かない時の対応も。

東浩紀・笠井潔(2003)『動物化する世界の中で』集英社新書 ポストモダニズムはマルクス主義を十分に清算していない不徹底な思想(笠井)だが、現在はマルクスもポストモダニストも忘却されている「動物的」な世界にいる。オタクの中にも優れた表現者がいる(東)。

東浩紀(2007)『ゲーム的リアリズムの誕生-動物化するポストモダン2』講談社現代新書 ポストモダンなデータベース消費の世界で物語は人工環境の文学として生き残り、思想をマンガから輸入するオタクたちのキャラクター小説に最も先鋭的に現れた。

東田直樹(2007)『自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心』エスコアール出版部 見たこと思い出したことが刺激になり反射的に口にしてしまうので声が調整できない、同じことを繰り返し聞くことは聞いたことを忘れないためあるいは言葉遊びのため。僕たちもできるようになりたいと思っている。

東田直樹(2010)『続・自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない高校生がたどる心の軌跡』エスコアール出版部 こだわりフレーズや言葉は楽しむため,こだわりやじっとできないのは自分でもつらいがどうしようもないもの,何度も同じことをやってしまうのは,同じ結果が得られることが楽しいため。

shizu(平岩幹男監修)(2013)『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ (健康ライブラリー)』講談社 ABA(応用行動分析)を利用して声かけをすると子どもの社会性と言語能力がアップする。課題を細かく分けてできたらほめ,自己肯定感をアップ。定着させたい行動を褒めることによって強化。

エレナ・ポーター(村岡花子)(1962)『少女パレアナ』角川文庫 牧師の父が亡くなりバレー叔母さんに預けられた11歳のパレアナ。屋根裏部屋に住まされ厳しいバレー叔母さんにもかかわらず、父から教えられた「喜びを見つける」ゲームに興ずる。そのゲームは町の人にも影響を与えていく。
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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