2014年11月18日

『都市と消費とディズニーの夢』

1997年に北京に赴任したときに,IKEAやカルフールに接して,その商品陳列があまりにも中国らしくなくてある意味感動したことを覚えています。帰国後,日本にも船橋にIKEAができ,そして幕張にカルフールができたわけですが(撤退して今はイオン幕張),国境を越えて,消費スタイルが似てきたことを感じました。



さて,本書は,都市の変容をショッピングモール化(筆者はそれをショッピングモーライゼイションと呼ぶ)として説明しています。(ディズニーの夢というのは,ウォルトディズニーの理想にショッピングモールがあったことによります。)

経済効率性の追求や消費の社会化によって公共機能が私的ビジネスの場になってきているとします。スタバは公共の病院の中に入り,役所に進出しています。駅や高速道路のSAも公共の場所ですが,多くのショップがテナントとして入り,ショッピングモール化しています。放送機関でも,お台場,赤坂サカスなど公共放送にもかかわらず私的なショッピングモールを設置し,オリジナルグッズを販売しています。

つまり都市の公共空間はすべてショッピングモールになっています。そして私たちの休日はショッピングモールに行って映画をみてご飯を食べ,買い物をして帰るといった消費中心の生活スタイルになっています。

外国からの観光客も同じです。本書によると外国からの観光客はショッピングモールに行くことを楽しみにしているそうで,ショッピングモールは消費の世界共通プラットフォームになってきています。

つまり世界の都市はショッピングモール化しているというのが本書の主張になっています。(ちなみに本書の著者はショッピングモール化について肯定的,否定的どちらの態度もとっていない。)

都市建築や都市計画の専門家からはショッピングモールは批判されています。それは画一化を嫌っているからです。都市がその魅力をもつためには独自性が必要で,どこもかしこもショッピングモールの風景になると都市の魅力がなくなってきます。(観光自体が都市の風景を楽しむもの。)

中国では都市化によって,旧市街地から新市街地が開発されていっています。新市街地とは経済開発区やハイテク開発区として設置され企業を誘致し,人が住むようになって開発されてきたところです。この新市街地の街のつくりは非常に似通っていて,整備された広い縦横の道路と新しいビルとショッピングセンターです。先進的になっていくのは発展の象徴かもしれませんが,旧市街地の良さは保存してもらいたいものです。

錦里古街(成都)街の独自性を活かした観光資源化とスターバックス
IMG_5552.JPGIMG_5554.JPG
(2014/11/1撮影)
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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