2015年03月03日

ピケティと中国の格差

私がこの本についてうんぬんする必要があるのかというとそうでもないけど,話題になっているので取り上げてみます(笑)

kaikaji(梶谷さん)いわく

kaikaji.jpg

じゃないけど,ピケティに便乗して中国の格差を語ってみますwww (あ,でも内容はまじめ)





主張は非常にシンプルです。

民間資本収益率が所得と産出の成長率を長期的に大幅に上回り得るという事実は、格差を縮小する力よりも拡大の力がある。正しい解決策は資本に対する累進課税である。

このシンプルさのゆえ,多くの人がこの主張にかみつき,事実の解釈をめぐって議論になっています。

この本のおもしろさは「格差」を経済学の主要テーマとし,長期データからあきらかになるものを突き止めたという点でしょう。

資本収益率が経済成長率も高い事実をめぐっていろいろ議論になっています。その辺は他にゆずるとして,彼の発見と仮説が正しいとして中国の格差はどうなるかと考えてみました。

中国では資本は国家独占でした。企業も資源も土地も国家がもっていましたが,市場経済化の流れの中で,企業の民営化,土地の流動化は進みつつあります。(資源はまだ税金は低いし,使用権はあいまいなままなので,ちょっとわきにおいておく。)

とくに国有企業の民営化で,国有資本を低い価格で引き受けていった元官僚たち,官僚,共産党員と関係が密接な新興資本家たちが恩恵を受けました。

また社会科学院の調査によると,親が体制内就業しているとその子が体制内就業できる確率は有意に高いといいます。つまり官二代,富二代という裕福さが世代に受け継がれています。

ピケティも格差は縮小する力をもっているといいます。それは情報であり,教育だといいます。人的資本や教育は労働所得を高めるので間違いなく貧しい人裕福な人の差を縮めます。途上国が先進国にキャッチアップするのも途上国での教育の普及と人的資本の充実が大きな役割を果たしています。

でもピケティは資本の力はあなどれないとしています。事実,資本収益率は経済成長率より高いので,資本は資本を生み出します。働かなくても食べていける不労所得者を生み出します。

中国の資本家は国有資産と一緒に民間にスピルオーバーした人たちです。そして何のコネもなく資本ともゆかりも縁もない人たちはただひたすら労働に汗を流さなければなりません。ピケティが指摘するように,彼らに教育の機会が提供され,人的資本となるなら,格差縮小の力になるでしょう。教育の機会,就業訓練などが充実すれば労働面での格差縮小が期待できます。

でも,資本の力が強いとなると,

革命でも起きない限り,この格差は存在し続けるのかもしれません。

中国で資産税や相続税の話題は出ていますが,どうなるやら,といったところです。
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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