2015年05月26日

社会科学の基本は政府対個人

社会科学を教えていて,思うことは社会の仕組みをできるだけシンプルにして,考えるというのがいいと思っています。またその仕組みのフレームワークとしては,社会を政府対個人の関係としてとらえるというのがいいでしょう。

個人が集まってできるのが社会です。その集まりには必ずリーダー格(あるいは仕切りたがり屋)が表れます。そのリーダー格の人はその集団に安全を保障するから金を出せという存在になります。これが国家の誕生です。

リーダー格の人は集団の政治を行う政府です。この政府は個人に関与し始めます。橋を作るから,ビルを作るからということで,個人を動員します。無償の労働力提供を強制するわけです。

政府が王さまとしてふるまうと,個人には自由がなくなります。やりたいこともできずに,ただただ政府のいいなりになり,彼のご機嫌を損なうとその社会で生きていけなくなるということになってしまいます。

個人が集まって,王さまを追い出したのがフランス革命です。個人の自由を取り戻すため,個人たちが「王さま」を選ぶ権利を得る,そして選ぶプロセスを発明したのが民主主義です。これにより,政府が個人たちを意のままに操るのではなく,形式的には政府は個人たちの意のままに動く存在になったのです。

現在も独裁体制的国家と民主義的体制国家があります。基本は,政府が個人に関与します。日本でも消費税をアップしてきたら,私たちは従わざるを得ないわけで,そこには自由はありません(あ,もちろん海外移住という選択は可能)。一方で,個人を自由にしたら社会は無秩序になってしまうという考えもあります。社会が秩序だって安心して暮らせるようになるには,個人の自由を抑えて政府が秩序を提供するか,個人が自発的に秩序を構成していくのか,どちらかです。

経済学では個人の自由が自生的秩序(ハイエク)を形成するとします。でもその秩序形成もうまくいかないことが多いので政府が関与すべきだ(ケインズ)という意見もあります。

社会の仕組みを理解する社会科学は,政府と個人というように二分化させるとシンプルに理解しやすくなるでしょう。
posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育研究活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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