2016年06月07日

地方税はどうあるべきか?―カウンシルタックスから考える

先月、居住地の区役所からカウンシルタックス(Council Tax)の請求書が届きました。

カウンシルタックスとは自分が住む区に納める税金で、ほんの一部はロンドン市にも納められる日本で言う市町村税(地方税)です。

この税金は、住居と住人(大人)にかかる地方税の位置づけであり、所得とは関係ありません。賃貸、持ち家に関わらず基本は住まいの広さとそこに住む住人の数によって決定されます。私の場合、60平米程度の2ベットルームの住居、大人2人で1333ポンド(1年)になりました。日本円にして、大人1人1カ月1万円程度になります。

公共サービスは所得に関係なく多くの人が受けるものなので地方税は一律に、国税は所得再分配機能を持たせて所得に比例させるというのが税の理想です。これは、応益性と応分性という概念に集約されます。

応益性とは、住んでいる人が受けるサービスの費用をみんなで平等に負担するという考えです。上下水道、道路工事や維持、公園の清掃管理、ごみ収集、教育などなど住んでいる地域の政府が行う公共サービスの範囲は広いです。この公共サービスは住んでいる住民全員に行き渡ります。したがって、これに関わる費用をみんなで均等に分けて、負担しようじゃないかと考えるのが応益性です。

一方、応分性とは、住んでいる人の所得が高い人はその分多く費用を負担しようじゃないかと考えるのが応分性です。この根拠は、その人の機会コストです。所得が高い人が仕事を休んで、公共サービスを提供する側に回った場合、彼に支払うべき機会費用は、所得が低い人に比べて高くなります。つまり生産性の高い人は生産性の高い公共サービスを提供するはずにもかかわらず、それが実際にはかなわないので、その分費用を負担してもらうという考え方です。

日本の地方税は所得で決まるので応分性が強く、イギリスの地方税はその存在にかかるので応益性によって決まっているといえるでしょう。

どちらがいいか、というのは税制として考えるのか、経済政策として考えるかによって変わってくると思います。公共性という点では、おそらく応益性で地方税を徴収する方がいいと思いますが、所得再分配を行うという点については応分性を考慮した税制の方がいいでしょう。

私も、イギリスの公共サービスを受けているので、カウンシルタックスは喜んで支払いました(笑)

posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育研究活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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