2016年07月12日

一帯一路戦略

中国の一帯一路戦略は、日本の見方、中国研究者の見方から分析されることが多かったのですが、今回SOASのワークショップに参加して、イギリスや中央アジアからの視点でどうとらえているかがわかって面白かったです。

話を聞いて興味深かったのは「アジアパラドックス」。これはアジアとくに東・東南アジアが中国の市場や貿易という経済的側面の付き合いを深める一方で、安全保障についてはアメリカに頼らざるを得ないことを指します。経済取引と安全保障が一体化する方がすべてにおいて安定するにもかかわらず、また割き状態になることです。

また中央アジアからみると、ロシアが安全保障を提供し、中国が経済的取引を提供しています。しかし中国的には金を出しつつ安全保障も同時に提供したいという意図があるといいます。

中国の一帯一路戦略は、アメリカ等西側諸国のように貿易交渉、自由貿易地域(FTA)の推進というよりは、もう少し緩やかな「関係」を築くことに主眼が置かれており、これが中国式の世界秩序への挑戦だという指摘もありました。

すでに、土地が豊富な中央アジア、ロシアは、労働力と農業技術が豊富な中国に土地を貸し出す契約も進んでおり、人と土地の交換が進んでいるといいます。意外に中国人労働者が順調に受け入れられているようです。

最後に、地域研究はやはり研究者のバックグラウンドが反映してしまうということを認識しました。イギリスや中央アジアの研究者の見方は新鮮でしたが、裏を返せばやはり彼らも自分たちのバックグラウンドが地域研究に反映されているといえます。地域研究の客観性というのは難しく、学問としての客観性を担保するためにはさまざまな背景をもつ研究者との交流が必要だと強く感じた次第です。

posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 岡本式中国経済論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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