2016年11月22日

「張り子の虎、隠れた龍」

11月17日にSOASで開かれたBook Launchに参加しました。

Paper Tigers, Hidden Dragons
Professor Douglas B. Fuller



Fuller教授が上梓した上記の本の概要を話すというセミナーでした。意味深なタイトルですが、要点は

国家が国有企業に資金面等でR&Dを支援しているにも関わらず、技術水準は向上していない(張り子の虎)。それでも中国が技術的に向上してきているのは、海外資本と国内起業家の組み合わせHybridsの活躍がある(隠れた龍)。

です。

話の内容を備忘録として。

・中国は、市場経済制度が不完全にもかかわらず、そして過剰に国有企業に技術改造を応援しているにも拘わらず、技術向上が観察される。その答えは合弁企業(Hybrid)、すなわち海外資本と国内起業家の組み合わせにある。
・技術向上は技術的な学習と技術発明からなる。
・企業タイプは、国内企業(国家資本調達がしやすい)、国内企業(国内資本調達が難しい)、多国籍企業、Hybrids企業がある。
・国内国有企業は金融を支援を受けて技術向上に取り組む→しかし技術向上への貢献は少ない。多国籍企業、Hybridは貢献が大きい。
・開発区の役割ー政治的に投資を呼び込みGDPの上昇が背景。それ以外の要因国内調達などは軽く見られる。
ファンディング制度が弱いーFundが設置されても、アーリーバードの段階やアイデアの段階での投資は行われない。しかし、華人VCや海外VCは技術関連の投資を行う傾向がある。
・LENOVOは最初は資金不足、その後国家サポート(資金面、国家調達(国内市場)面)した結果、低利益のPCにこだわっている。(他の海外企業は多角化しているにもかかわらず)
・しかしHUAWEIは例外だ。民間企業として同じように国家認識はあがったが、海外市場へ展開し自己資金調達にこだわっている。
・多国籍企業は最初は安い労働力から進出してきた。技術漏えいを防ぐためにR&D過程を細分化、人材を集められない。一方でHybrids企業は中国資源を最大限活用、興味ある技術職を提供し、国内人材を受け入れている。 
・中国国内企業のR&D投資は大きいが、Patent申請数は少ない。(Hybridsがトップ)
・外国投資が外国制度を持ち込み、発展のエンジンになっている。ただ人種的なshareは必要だろう。
・グローバリゼーションの進展で、市場モデル、国家モデルではなく、国際ネットワークは技術的な資源配分を可能にしている。

posted by okmtnbhr at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 岡本式中国経済論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/444151671
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック