中国では,計画経済時代を終えて,改革開放へと変化した。この時の一番の大きな変化は,政府による経済社会への関与の大きさである。
毛沢東時代は,大躍進や文化大革命など共産党主導での経済発展や人々の行動への関与が行われた。つまり独裁体制が強かった時代である。
一方,改革開放以降,ケ小平というカリスマ性のある共産党指導者はいたものの,経済活動は計画から市場へ委ねる,つまり自由な経済取引を認め,人々の行動への関与を小さくするというものに変化した。
そこで,長期的な経済成長率を計画経済時代と改革開放時代の二つに区分し,その経済成長率に違いがあるかどうかを見てみよう。

計画経済期の平均成長率は6.1%である。改革開放時代になると,平均成長率は9.2%に上昇した。統計的にも有意水準1%で計画経済時代の方が市場経済時代よりも成長は低い。
変動も計画経済時代の方が大きい。計画経済時代の標準偏差は10.1%,市場経済時代は2.9%である。これも統計的には有意水準1%で,ほぼ間違いなく計画経済時代の方が経済の波が大きかったことを示している。
つまり,政府が権威主義的に人々の行動に関与すると,経済成長は低くなり,その変動は大きくなることが示唆される。(ケ小平時代でも1989年,1990年の経済の落ち込みは大きい。)
第20回党大会で習近平政権の三期目が始まった。権威主義的体制が強くなれば,経済成長の低迷と経済の変動が大きくなる可能性が高い。実際コロナ発生後の現政権によるゼロコロナ政策によって,2020年は経済成長が鈍化し,2021年は大きく復活したものの,昨年は低迷した。5年後に同じことを検証すれば,中国では権威主義的体制が強くなると経済成長を低くさせ,経済変動が大きくなる,といえるだろう。






