2026年01月06日

ベネズエラ情勢の中国経済への影響

米軍によるマドゥロ大統領の拘束と、トランプ政権によるベネズエラ石油資源の実質的な支配は、世界経済の勢力図を根底から覆す可能性があろう。

石油覇権の移動と市場への影響

米国が世界最大の原油埋蔵量を掌握することで、米国は重質原油の安定供給を確保し、エネルギー覇権をさらに強化する。これにより、ロシアやサウジアラビアの価格支配力は減退し、供給拡大による原油価格の下落は世界的なデフレ圧力となる可能性がある。一方、カナダなどの競合国は市場シェア争いで苦境に立たされるだろう。

中国が直面する戦略的リスク

特に深刻なのが中国への影響である。中国は長年、対中債務の返済を条件にエネルギーや通信インフラに巨額を投じてきたが、親米政権下では以下のリスクが現実味を帯びる。

権益の剥奪:CNPC(中国石油天然気集団)などの原油開発権益が「違憲」として剥奪、あるいは米企業へ譲渡される恐れがある。
通信インフラの排除: 安全保障を理由に、ファーウェイやZTEの設備が撤去を迫られるリスクが高い。

投資戦略の転換

中国にとってベネズエラは中南米進出の橋頭堡(きょうとうほ)であった。今後は、政権交代で契約が脅かされる大規模インフラ投資を避け、農業や新エネルギーなど地政学的リスクの低い分野へのシフトを余儀なくされるだろう。資源を巡る米中対立は、供給網の再編を伴う新たな局面に突入したといえる。

If the US seizes control of Venezuela’s oil, who wins – and who loses?2026年1月5日
What assets does China have in Venezuela, and what could happen with Maduro gone?2026年1月6日

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2025年12月27日

中国が外資誘致を加速、2026年施行の「推奨産業目録」で先端分野を強化

中国政府は、外資投資を促す「奨励産業目録」を改訂し、2026年2月に施行する。対象は過去最多の1,679業種に拡大され、核酸医薬や深海ロボット等の先端製造業、仮想発電所やペット医療といった現代サービス業が新たに追加された。

背景には、外資直接投資の深刻な減少がある。政府は、輸入設備の関税免除や土地利用の優遇に加え、西部地域の県や海南省での法人税率を15%に軽減する等の強力なインセンティブを提示。透明性の高い環境を整えることで、停滞する経済の回復と産業構造の高度化を狙う。厳しい外部環境の中、外資を取り込むことで自国の発展に確実性を持たせる構えだ。

China sharpens sales pitch for overseas investment with new list of sought-after sectors2025年12月24日
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2025年12月26日

習近平氏、国有企業に国家発展の基盤を指示

中国の習近平指導部は、中央国有企業(SOE)に対し、国家発展の基盤として産業高度化と重要技術の確保を主導するよう指示した。米中対立等の不透明感が増す中、第15次5カ国計画を見据えた戦略的転換を図る狙いがある。

中央国有企業の規模は巨大だ。2024年末の総資産は91兆元に達し、エネルギー供給面でも原油の80%、天然ガスの70%を占める。また、年間15兆元超の調達を通じて200万社の下請け企業を支えるなど、経済の屋台骨となっている。

今後は新エネルギーや先端材料などの新興産業へ投資を加速させ、世界クラスの企業育成と自立したサプライチェーンの構築を急ぐ方針である。

China’s Xi urges state giants to be pillars of national development2025年12月24日
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2025年12月19日

中国の大豆に関するQ&A

Q:ブラジル、米国、中国産の大豆価格はどう違うのか? A: ブラジル産が最も安価で、米国産は収穫状況や政策により割高(2025年1月出荷分でトンあたり17ドルの差)である。中国産は低収量・高コストに加え、食用という特性から輸入産の1.3倍以上の高値で取引されている。

Q:3カ国の大豆の品質にはどのような違いがあるのか? A: 米国産は含油率が高く搾油に適し、ブラジル産はタンパク質含有量が高く飼料に適している。両国は遺伝子組み換え(GM)だが、中国産は非GMでタンパク質が豊富であり、豆腐などの伝統的食品に向く一方、搾油効率は低い。

Q:中国市場において、各供給源はどのような役割を担っているのか? A: ブラジルは輸入の7割以上を占める主力供給源である。米国はシェアを下げつつも、北米の収穫期における重要な季節的補完源となっている。国内産は高付加価値な非GM食品市場を担い、一部は近隣諸国へも輸出されている。

Q:中国は今後、どの供給源への依存を強めるのか? A: 自給率向上により、2035年までに輸入依存度は3割以下に低下するとの予測がある。今後はブラジルを核心としつつ、「一帯一路」諸国からの調達を多様化させ、米国産については貿易関係に応じて動的に調整していく方針である。

Explainer | What does future hold for Brazil, US in China’s soybean balancing act?2025年12月18日
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2025年12月18日

中国の新経済戦略:物理的資産から「人への投資」へ

中国政府は、従来のインフラ等への投資から国民生活を重視する「人への投資」へと戦略を転換する。第15次5カ年計画案や中央経済工作会議で示されたこの方針は、深刻な内需不足とデフレ圧力への抜本的な対抗策である。

具体的には、社会保障の拡充(農村部年金の増額や出産費用の全額公費負担)、教育支出の対GDP比4%以上の確保、職業訓練の強化などが柱となる。背景には、物理的資産への投資効率低下と、将来不安による消費低迷がある。単なる一時的な刺激策ではなく、セーフティーネットを体系的に整備することで、国民が安心して消費できる環境を整え、持続可能な成長を目指す狙いだ。

China’s new ‘invest in people’ slogan heralds a rethink in economic strategy2025年12月17日
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帰国留学生の就職・起業を国家が支援

中国は、優秀な人材誘致のため、帰国留学生向けの国家レベルの就職・起業支援プラットフォームを立ち上げた。教育省は50の組織と連携し、起業メンターの提供や企業・政府とのマッチングを強化する。

留学の価値への懐疑的な見方がある中、当局はAIや新素材などの分野で彼らの革新性を重視。2024年の帰国留学生数は約49万5,000人で、前年比19.1%増と急増しており、今後も増加が見込まれる。

情報不足に悩む帰国者にとって、この支援策は国内での活躍を後押しする重要な一歩となる。2023年時点で、主要な国家プロジェクトのリーダーや大学学長の70%以上が帰国留学生出身であり、彼らが引き続き中国発展の核を担うことが期待されている。

China offers more support to returning overseas students as influx grows2025年12月16日
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2025年12月17日

出産費用の全額負担

中国政府は、深刻な少子化と人口危機に対応するため、国家医療保険プログラムを大幅に拡大し、出産にかかる自己負担費用を来年から完全にゼロにすると発表した。

これは、家族を持つことを望む人々の経済的負担を軽減し、出生率の向上を目指すための最も重要な施策の一つである。国家医療保障局は、妊婦の医療費カバーレベルを改善し、全国で「お産は自己負担なし」を実現する方針だ。

さらに、産前検診費用のカバー向上や、無痛分娩も保険適用範囲に追加される。この政策は、従来の社会保障の対象外だったギグエコノミー労働者などにも資格を広げ、支援を必要とする層への網を広げる。

China to fully cover childbirth costs for all as fertility crisis sparks economic alarm2025年12月15日
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2025年12月16日

生殖補助医療への補助金

中国の地方政府は、少子化対策として、体外受精(IVF)などの生殖補助医療への補助金支給を強化している。

具体的な補助金額:湖北省荊門県はIVFに最大1万元(約20万円)、人工授精に3,000元(約6万円)を補助。四川省攀枝花県は妊娠時に一時金5,000元(約10万円)を支給している。国内でのIVF費用は3万元〜15万元と幅広く、補助は大きな支援となり得る。

現状の課題:中国の不妊率は12〜15%と推定されるが、専門家は何よりも子育て費用の高さという経済的要因が、人々が出産を望まない主な理由だと指摘。補助金だけでは、根本的な人口減少傾向(2024年は139万人減)を逆転させるのは難しいと警告している。

中央政府の動き:2022年には生殖補助医療による出生は年間約30万人、新生児の約3%に達した。中央政府も、出産費用の全額保険適用拡大や、3歳未満児への年間最大10,800元(約21.6万円)の育児補助金制度を導入するなど、対策を広げている。

China’s fertility push: IVF grants grow, but high costs still deter couples2025年12月15日
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2025年12月13日

2026年 中国経済の行方:中央経済工作会議

中国のトップ指導部が集う中央経済工作会議が閉幕し、2026年の経済運営方針が示された。会議の最大のテーマは、外部環境の不確実性と国内の構造的な課題に対処するため、「内需主導への転換」を加速させることであった。

マクロ政策においては、「積極的な財政政策」の継続が確定した。アナリストの予測では、2026年の財政赤字対GDP比は、過去最高水準である2025年と同等の約4%を維持する見通しである。これに伴い、国債や地方債の枠も拡大され、地方政府の資金繰り支援やインフラ投資の安定化に充てられる。

しかし、焦点はその「支出構造の最適化」にある。政府支出は、過去のような過剰生産能力を助長する投資ではなく、「民生・福祉」や「消費刺激策」「技術革新」へ重点的に振り向けられる。これは、長引くデフレ圧力と個人消費の低迷を打破し、需要と供給のバランスを構造的に改善することが狙いである。

また、米国などとの貿易摩擦の激化を念頭に、中国指導部は「闘争」という強い言葉を用い、対外的なリスクへの備えを強調した。国内では、電気自動車(EV)などで見られる過度な価格競争(インボリューション)を是正し、技術力で世界と戦える「国家チャンピオン」企業の育成を目指す。

不動産市場については、政府主導による「住宅在庫の解消」が最重要課題と位置づけられ、地方政府が商業用住宅を買い上げて保障性住宅に転用する支援策が推進される方針である。2026年は、第15次5カ年計画の初年度として、中国経済が「危機対応」から「構造改革」へと軸足を移す転換点となるであろう。

China to keep high fiscal deficit ratio in 2026 to buoy spending plans: analysts2025年12月12日

China digs in for trade ‘struggles’ as Beijing eyes dual strategy of growth and resilience2025年12月12日

China sets sights on ‘fully tapping’ domestic market potential after tone-setting meet
2025年12月11日
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2025年12月11日

広東省の野心的な目標

中国最大の経済省である広東省は、2035年までに経済規模を2022年比で倍増させるという野心的な目標を掲げた。これは、中国が同年までに中進国レベルに到達するという中央政府の目標に呼応するものだ。

目標達成には、今後10年間で平均5%超の年間成長率が必要だが、これは現在のペースを上回る。省当局は技術革新と新興産業を成長の鍵とする一方、アナリストや地元企業家は不動産市場の停滞や製造業の移転といった構造的な課題に直面していると警鐘を鳴らす。

地元の経営者からは、他省との計画の類似性(独自性がない)や、多くの企業が資金・受注不足で苦しんでいるという現実的な懸念が示されている。

China’s Guangdong targets doubling GDP by 2035 despite slowing growth
2025年12月10日
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2025年12月04日

平均寿命が過去最高に

中国の平均寿命は2024年に79歳という過去最高を記録し、先進国(EU:81.7歳、OECD:81.05歳)との差を縮めている。これは「健康中国」構想に基づき、2030年までに平均寿命80歳を目指すという目標への大きな一歩である。

この長寿化は、医療体制の拡充に支えられている。医療機関数は109万(前年比2.1%増)、医療従事者は1,302万人(4.3%増)に増加した。また、乳児死亡率(1,000人あたり4.0)、妊産婦死亡率(10万人あたり14.3)も過去最低を更新した。

一方で、平均寿命の延伸は、過去最低水準の出生率と相まって、年金・医療制度への負担という深刻な人口動態の課題を浮き彫りにしている。中国の人口は3年連続で減少し、65歳以上人口の割合は2024年に15.6%に上昇している。長寿化の達成は素晴らしい成果だが、その裏側にある社会的な課題への取り組みが急務となっている。

Living to 79: China’s record longevity puts economic wrinkles in focus2025年12月3日
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2025年11月25日

中国の介護分野と雇用

急速な高齢化が進む中国において、高齢者介護サービス部門は新たな主要な雇用創出源として期待されているが、若年層の関心は低いままである。

経済への影響と雇用創出:

介護サービス産業は、今後、数百万人の雇用を生み出し、家計消費を押し上げる原動力となる見込みだ。

家計内の無償介護労働の経済規模は30兆元を超え、国内サービス産業の30倍に上る。この市場の活性化は、中国が目指す消費主導型経済への移行と、シルバーエコノミーの発展に不可欠である。

大学学長は、この分野が高い労働吸収力を持ち、高齢者への財政補助を通じて「雇用の問題」と「介護の問題」の同時解決につながると提言している。

人材不足と若者の意向:

介護が必要な高齢者は2035年には3,400万人以上に増加すると予測されており、専門人材の不足は深刻だ。

しかし若者は、老人ホームの求人(月額4,000〜5,000元程度)の給与水準が低いことや、分野に対する知識不足を理由に就職を避けている。

労働市場の逼迫:

経済減速と大卒者の増加により若年層の失業率は高水準(8月は18.9%)にあり、労働力供給の調整が急務だ。

介護分野は将来の経済成長と雇用吸収の鍵を握るが、若者の就職意欲との間に大きなギャップが存在している。

China’s senior-care sector: promising job growth clashes with young workers’ reluctance2025年11月25日
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2025年11月22日

中国の大豆 −輸入1億トン・自給率2割の現実

中国の食料自給において、年間約1億トン(世界貿易の6割)を輸入する大豆は最大の急所である。国内生産は昨年の増産後でも約2065万トンに留まり、需要のわずか2割しか賄えていない。

かつての米国依存(シェア最大38%)から、貿易摩擦を経てブラジル(直近で85%超)へ供給元を切り替えたが、海外依存の構造は変わらない。政府は2034年までに輸入を7900万トンへ減らす目標を掲げるものの、耕地不足により完全自給は不可能であり、厳しい舵取りが続いている。

China’s soybean revolution: the change that rewrote global trade and tested food security2025年11月25日
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2025年11月21日

蔡ム氏、家計消費率の目標設定が不可欠

中国の著名経済学者・蔡ム氏は、人口減少が進む中での成長維持には、GDP目標に加え「家計消費率」の数値目標設定が不可欠だと提言。

具体的には、現在GDPの約39%である家計消費を、2035年までに61%へ引き上げるべきと主張。将来の年金不安による「予防的貯蓄」が消費の足かせとなっているため、再分配政策やAIによる生産性向上を活かした社会保障の充実が必要だと説く。

政府も次期5カ年計画で内需拡大を掲げており、中間所得層の倍増(8〜9億人規模)による巨大市場の創出が、今後の中国経済の鍵となる。

Chinese economist calls on Beijing to add consumption target to long-term goals
2025年11月19日
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2025年11月20日

学歴インフレ

中国で「学歴インフレ」が深刻化し、過剰資格の人材が不適格な職務に就く事例が相次いでいる。

広東省始興県の衛生事務所が、ゴミ収集車や埋立地の監督者に博士号を必須とする求人を出し、世論の批判を浴びた。これは、業務内容が実行志向であるにもかかわらず、高学歴を求める極端な例である。

また、四川省瀘州のガス会社では、エディンバラ大学の国際関係学修士号を持つ人材らが検針員や修理作業員として採用された。

これは、経済減速と激しい就職競争を背景に、採用側が学位の威信を追い、才能の誤配分が生じている現状を象徴している。

Wanted in China: garbage supervisor with a PhD2025年11月17日
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2025年11月19日

中間所得層の拡大

中国は、今後10年で中間所得層を4億人超から8億人に倍増させるという野心的な目標を掲げている。これは、成長モデルを従来の投資主導型から人的資本への投資と国内消費拡大へ転換させる新たな戦略だ。

現在の課題は深い。杭州に住む幼稚園教諭補助員シャオ・メイ氏(38歳)の月収はわずか6,000元で、地元の公務員平均13,500元を大きく下回る。彼女は3年間給与が上がらず、将来に不安を感じている。

政府は、育児・高齢者介護・医療・教育といった社会保障網への支出を強化することで、シャオ氏のような層の生活を安定させ、貯蓄から消費への意識を変えたい考えだ。また、農村高齢者の月平均年金がわずか244元という深刻な所得格差も是正を目指す。この「人への投資」が実現すれば、シャオ氏の望む「ミドルクラス」の生活が現実味を帯びてくる。

800 million: how China plans to double its middle-income population2025年11月17日
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2025年11月18日

中国の消費低迷に関する盧鋒教授へのインタビュー

中国の消費低迷に関する盧鋒教授へのインタビュー(簡潔版)

#なぜ中国の消費は長期的に低迷しているか?

回答:構造的な原因は、所得分配、社会保障、戸籍制度が招く「二重経済」による一部低所得層の消費不足である。また、公共資源が長年生産・供給側に偏重投資され、急速な生産能力拡大に最終需要(消費)が追いつかず、供給過剰との矛盾が拡大しているためだ。

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#大都市で特に消費が弱いのはなぜか?

回答:パンデミック後の厳格な規制により、高密度な大都市のサービス産業が特に打撃を受け、雇用が悪化した。その結果、若年層は競争の激しい低賃金労働に流れ込み、経済成長に必要な大都市の集積効果による需要創出が期待通りに進んでいない。

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#反腐敗など非経済政策は消費に影響したか?

**回答:** 反腐敗・規律強化は必要だが、**過度な適用**による飲食消費への影響や、**頻繁な規制変更**によるハイエンド消費の**萎縮効果**を生んだ。**科学的根拠の曖昧な規制**で産業が消滅し、経済コストが発生した。政策評価で**マクロ経済への影響**を考慮すべきだ。(125字)

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#政府の消費刺激策は効果があったか?

回答:政策は過去10年で最大級の規模で、短期的に耐久財の買い替えを促進したが、需要を前倒ししたに過ぎない。根深い構造問題(所得分配など)を解決していないため、短期的な流動性対策に留まり、根本的な消費不足の解消には至っていない。

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#構造改革(戸籍、社保など)の進展が遅い理由は?

回答:公共部門(GDPの45%超)の資源配分が、官僚の評価システムや税制が定める「供給側を重視」する長年の慣行に縛られているためだ。資源の大部分が生産・技術への投資に集中し、消費と民生への配分が不足している。

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#消費潜在力を持つ層とその引き出し方は?

回答:所得が低い層、特に農村の高齢者が最も消費潜在力を持つ。彼らは極めて低い年金で暮らしているため、政府の再分配を通じて恒常的な所得(例:年金を月200元から1,000元に引き上げ)を増やし、消費する能力を与えるべきだ。

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#社会保障制度の根本的な問題は何か?

回答:問題は支出の絶対額ではなく、受給額が職業・階層で極端に不均衡な構造にある。特に農村高齢者の基本年金は極端に低い。また、企業向け**高すぎる拠出率のため、強制加入は中小企業と低賃金労働者を圧迫し、持続可能性の課題を抱えている。

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#構造改革実現の鍵はどこにあるか?

回答:トップレベルの設計により、公共資源の配分モデルを供給側中心から消費・民生重視へと系統的に調整することだ。官僚の業績評価システムや税制構造を改革し、地方政府のインセンティブを変えなければ、根本的な消費刺激は実現しない。

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#次期五カ年計画で構造改革は進むか?

回答:第15次五カ年計画は、過去に類を見ないほど消費と民生を重視する見込みだ。長年の「強供給対弱需要」のアンバランスが政策調整の範囲を拡大させ、これまで困難とされてきた戸籍、社保、公共サービス均等化などの抜本的な改革を進める重要な機会となる。

Exclusive | Chinese economist Lu Feng on why the time is ripe for a consumption rebalance2025年11月17日
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2025年11月17日

越境法執行に歯止め:長江デルタの新メカニズム

上海、江蘇、浙江、安徽の長江デルタ4省市は、越境的で利益追求型の市場執行を規制する初の協調メカニズムを導入した。

この動きは、民間企業を恣意的な検査や重複調査から守り、必要な安心と信頼を与えるものとして歓迎されている。背景には、地方財政の逼迫がある。実際、今年上半期は国の非税収(主に罰金)が2%増加する一方、税収は0.3%減少しており、「罰金稼ぎ」的な法執行が問題となっていた。

新メカニズムは、越境執行時の現地当局への通知・協力などを義務付け、混乱を招いていた市場環境の是正を目指す。この取り組みは、中国経済の要である民間企業の活力維持に不可欠であり、他の地域への波及が期待されている。

China’s Yangtze River Delta reins in ‘profit-driven’ fines in relief for private sector2025年11月14日
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2025年11月15日

第15次五か年計画と税制改革

中国は経済リスクに直面し、今後5年間の第15次五カ年計画(2026〜2030年)で財政の持続可能性の強化が急務となっている。

伝統的な税基盤の成長が鈍化する一方、消費支援や民生保護のための財政支出は増加しており、企業に過度な負担をかけずにいかに税収を確保するかが主要な課題である。2023年には景気減速とデフレで税収が減少した。

特に地方政府は、土地売却益の減少で財政がひっ迫。また、現行の増値税(付加価値税)制度が過剰生産を助長するインセンティブ(注)になっているとの指摘もある。

計画では、直接税・地方税の強化や優遇税制の引き締めを提唱。専門家は、労働所得への重い課税や、新興分野での租税回避を防ぐため、個人所得税の改革や税制の現代化が不可欠であり、これがなければ将来の税収確保は困難になると警告している。

China’s fiscal pivot: tax reform in 5-year plan to protect budgets without crushing firms2025年11月12日

(注)増値税の税収が、製品やサービスが最終的に消費された場所ではなく、生産された場所(製造工場や事業所がある地域)に基づいて地方政府に配分される仕組みになっている。地方政府は管轄内の企業活動を支援することになる。
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2025年11月14日

民間資本のさらなる活用

中国政府は、景気活性化と雇用の安定を目的に、民間資本をインフラプロジェクトへ呼び込むための13項目の新措置を発表した。

これは、従来国が主導してきた発電や交通、水道、原子力などの分野で、収益が見込めるプロジェクトに民間投資を促すのが狙いだ。政府の承認プロセスに「民間投資誘致の実現可能性評価」を義務付け、対象プロジェクトでの民間企業の出資比率を10%以上とする方針を明確化した。

さらに、政策的金融手段や中央政府投資の増額、航空宇宙分野への参入緩和など、多角的な支援策を打ち出している。政府は、民間企業が公平に市場競争に参加できるよう、今年可決された「民間経済促進法」の実施も推進し、経済成長の鍵となる民間部門を強力に後押しする姿勢を鮮明にしている。

From rail to nuclear power, China taps private capital to fund major projects2025年11月11日
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